失敗例で学ぶ! 中古マンション購入時の注意点14選

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中古マンションは、同じ条件であれば、新築マンションよりも比較的価格が安く、高い利回りが期待できる投資物件ではないでしょうか。

既に入居者がいるマンションを購入した場合、早く家賃収入が入ることもメリットのひとつです。

しかし、中古マンションは購入する際に注意しなければならない点があります。
今回は、中古マンション投資の失敗例を通して、購入する際に押さえておきたいポイントをご紹介します。

失敗例から見えてくる注意点

今回は主に二つの失敗例をもとに、中古マンションを購入する際の注意点を説明します。
注意点をしっかり押さえておかないと、失敗してしまう可能性もあります。

その他、契約する際に押さえておきたいポイントについてもご紹介します。ご紹介する失敗例と注意点は以下の通りです。

※本記事に掲載の失敗例はあくまで一例です。

失敗例1:老朽化による修理で多額の設備交換費用がかかってしまった

投資家のAさんは、都内にある築30年の中古マンションを投資対象に選んで購入しました。
価格が他の物件に比べて安く、外観も問題ないように見えました。

しかし、購入してまもなく「天井から水漏れしている」と入居者からクレームが入ります。調査したところ、老朽化して破裂した給水管の水が、コンクリートの内部から染み出していたことが原因でした。

すぐに修理する必要があり、当初の計画にはなかった工事費用と設備交換費用を支払うことになります。

さらに、入居者の所有する家財に対する賠償請求も加わり、総額300万円以上の費用を支払うことになりました。

上記のような事態を防ぐため、下記で注意点をご紹介いたします。

 

注意点① 設備の修繕・交換などの諸費用

中古マンションでは購入した段階で、設備の修繕や交換を必要とする場合があります。
購入前に設備の状態や修繕履歴をくまなくチェックし、今後の修繕計画を立てることが重要です。

その点、新築マンションでは設備も新品のため、購入時点からの耐久年数が中古マンションよりも長いという場合がほとんどです。さらに配管などに耐食性のある素材が使用されている場合もあり、中古マンションに比べると老朽化のペースはゆるやかではないでしょうか。

 

注意点② 築年数・耐用年数

中古マンションは、築年数が長ければ経年劣化と共に価格が下がる場合がほとんどです。資産としての価値も下がるため、ローンが組めない場合があり注意が必要です。

また、減価償却の「耐用年数」は、構造や用途によって異なります。鉄筋コンクリートで作られた住居用の建物では47年、木造であれば20年です。詳しくは、国税庁が公表している主な減価償却資産の耐用年数(※1)で確認できます。

一方、新築マンション投資では、耐用年数だけの観点で見ると“価値が高い状態”で運用を始められます。

中古マンションと比べると、耐用年数が長く、長期にわたる投資対効果が期待できるかもしれません。
(※1)出典:国税庁ホームページ(https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/2100.htm)主な減価消化客資産の耐用年数表

 

注意点③ 耐震基準

1981(昭和56)年に建築基準法が改定(※2)され、耐震基準が強化されました。それ以前の旧耐震基準で建築された建物は耐震性が不十分なため、耐震改修や建て替えを必要とする場合もあります。

新耐震基準で作られた物件かどうかは「確認通知書」の発行日で確認することができます。1981(昭和56)年6月1日以降であれば新耐震基準(※2)で建てられた物件です。

それ以降の物件は、新築マンションなら現在の建築基準法に則った設計、耐震性で作られています。
(※2)出典:国土交通省ウェブサイト (https://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/house/jutakukentiku_house_fr_000043.html)住宅・建築物の耐震化について

 

注意点④ マンションの管理状況

マンションが適切に運営されているかどうかは、管理組合に確認する必要があります。
たとえば、修繕実施時期、今後の修繕計画の確認、さらには管理費等をどれほど徴収しているかなどの情報を共有することが重要です。

また、実際にマンションを見学して「ゴミ出しが適切になされているか」「外観や共有部の手入れが行き届いているか」なども重要なチェックポイントです。

 

注意点⑤ 契約不適合責任

契約不適合責任とは、契約内容に適合していない商品を売った際に、売主が負う責任を指します。

民法566条には契約不適合責任の期間を「買主がその不適合を知った時から1年以内」と記載されています。

問題が発覚したら、購入後その期間内に修繕費を売主に請求しなければ自己負担になります。(※3)そのため、表面では見えない建物の内側まで見ておくことが必要です。

建物の状態確認に不安があるならば、インスペクション(建物診断)を不動産会社に依頼することも手段のひとつです。

新築マンションを含めた新築物件の場合、万が一物件に瑕疵があっても、売主には10年の契約不適合責任が法的に定められているため、安心して取引ができます。(※4)
(※3)出典:民法 566条「目的物の種類又は品質に関する担保責任の期間の制限」
(※4)出典:住宅の品質確保の促進等に関する法律 九十四条「住宅の品質確保の促進等に関する法律

失敗例2:空室が埋まらない

投資家のBさんは、都心から少し離れた場所に建つ築10年の中古マンションを購入しました。都心の物件よりも安く、10%の高利回りで運用できると期待しての判断でした。

しかし入居希望者が集まらず、空室の状況が続き、当初考えていた利回りを大きく下回ってしまいました。

上記のような事態を防ぐためにも、下記で注意点を踏まえてご紹介いたします。

 

注意点⑥ 周囲の環境

中古マンションを購入する場合、周囲の環境を確認する必要があります。

たとえば、利便性の高い立地であるかどうかです。駅や商業施設、病院が近くにあることなどが挙げられます。

また、例として「繁華街が近い」「大型車両が頻繁に通る」などの環境であれば、騒音に関わる問題が考えられます。

他にも、「犯罪率が高い」「街灯の少ない道がある」など、治安に問題がないかも確認が必要ではないでしょうか。

 

注意点⑦ 既存の入居者

オーナーの権利を引き継ぐ方法(オーナーチェンジ)で中古マンションを購入した場合、お住いの入居者の状況確認も重要です。

「ペットを飼っていて近隣トラブルを起こしている住民がいる」「連帯保証人がいない入居者がいる」などのトラブルを抱えている場合があるかもしれません。

そんな場合に備えて、賃貸管理会社へ業務委託をおすすめします。賃貸管理会社に業務委託すれば、入居者に関するさまざまなトラブルに対応してくれます。

賃貸管理会社とは長期的なお付き合いになる場合もあるため、「不明点や問題が生じた際に、気軽に相談しやすい担当者であるか」ということも確認しておくことをおすすめします。

賃貸管理会社へ業務委託しない場合、ご自身で対応することになります。
トラブルの内容によっては、多くの時間と労力を消費することになり、入居率の低下につながる可能性もあるので注意が必要です。

 

注意点⑧ 人口需要

中古マンションを購入する際、本当に需要がある場所かを調べることが重要です。

行政などが子育てに力を入れている地域であれば、ファミリー層の需要が考えられます。
また、近くにオフィス街があれば、単身者の需要が考えられます。

他にも、地域の人口が増加傾向にあるかも重要な判断材料ですので、確認することおすすめします。

新築マンションであれば、デベロッパーが人口需要などの調査をしたうえで、どこに建てるかを決定している場合が多いようです。デベロッパーに調査結果をヒアリングするのも手段のひとつです。

 

注意点⑨ 物件のデザイン

住むことが目的である以上、障がい者や高齢者にとっても利用しやすいデザインかどうかは注意すべきポイントです。

例えば、「段差が少ないバリアフリーになっているか」、「エレベーターは車椅子も入れる大きさか」といった点は特に重要です。

また、中古マンションでは最近の流行に沿っていない間取りで作られていることもありえるので、その観点でチェックすることをおすすめします。

「ファミリー世帯」と「単身者・夫婦のみの世帯」では、間取りの好みやニーズも変わってくると考えられますので、チェックする際は「世帯層のニーズ」も意識することが重要です。

 

注意点⑩ 共用部の充実度

入居者が求める要素のひとつとして、共用部の充実度が挙げられます。

インターネット設備やエレベーターの有無など、賃貸物件としての魅力を備えていることが、空室リスクを下げるためには必要です。

また、防犯カメラやオートロック、宅配ボックスや内廊下、24時間対応のごみ置場、コンシェルジュサービスなどは、女性をはじめ多く方に人気が高い設備ではないでしょうか。

自分が住むことを想定して共用部の設備に何が必要かを考えると、イメージしやすくなります。

賃貸住宅サイトで人気が高い物件の条件を調べて、比較してみるとよいでしょう。

 

注意点⑪ 災害リスク

災害リスクは、物件を購入する際に最も気を付けたい要素のひとつです。以前発生した災害、あるいは今後発生する可能性のある災害を調査することが大切です。

国土交通省が提供しているハザードマップ(※5)を確認し、自然災害のリスクを確認しておきましょう。
(※5)出典:国土交通省ウェブサイト (https://disaportal.gsi.go.jp/)

その他の注意点

上記の失敗例でご紹介した注意点以外にも、契約の際に気をつけておきたい点があります。確認しなければ不要な損失を被ることもあるため、契約書はしっかりと確認することをおすすめします。

 

⑫空室保証

空室保証とは、不動産会社や賃貸保証会社が、オーナーに対して空室時も家賃を保証する仕組みです。

満室時の家賃全額が保証されるわけではなく、毎月一定の保証料が必要な場合が多いです。保証料の割合は、契約する会社によって異なります。

空室保証のメリットは、空室状態が続いても収入が入るという点です。一方で、満室状態であっても毎月の保証料を支払う必要があります。

 

⑬家賃設定

家賃設定はマンションを運用する上で重要な要素のひとつです。

家賃を低く設定することで、空室リスクは抑えられますが、家賃を低くしすぎると、利回りも低くなる可能性があります。表面的な利回りではなく、管理費や修繕費等を含めた実質利回りで考えることが重要です。

また、ローンを組んで運用する場合、家賃収入がローンの返済額より低くなり過ぎないように注意する必要があります。

 

⑭賃貸借契約書の内容

入居者込みで中古マンションを購入する際、既存の入居者と交わしている賃貸借契約書の内容を確認しておく必要があります。

たとえば、ペットの飼育を不可とする契約内容にしたい場合でも、前のオーナーがペット飼育可の契約を入居者と交わしていた場合、すぐに契約を変更することはできません。

その入居者の契約更新のタイミングまでは、前のオーナーと交わした契約内容が優先されます。ただし、オーナチェンジのタイミングで契約内容を変更すれば、その時点から変更できます。

また、敷金や保証金など、入居者から預かっているお金があれば、前のオーナーから引き継げるかどうかも確認しておきましょう。

他にも、退去時の現状回復について、オーナーと入居者のどちらが負担するかの確認も必要です。

まとめ

中古マンション投資は比較的価格が安いものであれば、初期費用が抑えられ、高い利回りが期待できる投資方法です。

一方で、中古マンション投資ならではの注意点が多々あり、安易な投資を行うと損失を出す恐れもあります。

今回ご紹介した注意点をしっかり踏まえた上で、投資するマンションを決めることが重要です。

「情報が多くて自分では対処できない」と悩んでいる方は、セミナーに参加したり、プロに相談したりすることをおすすめします。

本記事で記載した通り、中古マンションは注意点が多くあるため、できるだけ簡易に不動産投資を進めたい方には、新築マンションもおすすめです。

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