不動産投資用マンションに自分で住むことは可能?7つのリスクを紹介

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投資用のマンションを買ったものの設備面やデザインで気に入った物件であったり、利便性の高い物件であったり、空室となった場合などにも「せっかくだから自分で住もう」と考える方もいるかもしれません。

投資用のマンションに自分で住むことは可能です。しかし、一部のケースを除いては、あまりおすすめとはいえない場合もあります。なぜなら、不動産投資用ローンの契約や税金の支払いなど、さまざまな点においてリスクがあるためです。

今回の記事では、投資用マンションに自分で住む際のリスクや、自分で住むことをおすすめできるケースなどを紹介します。

不動産投資用マンションに自分で住む際のリスク

投資用マンションに自分で住む場合、7つのリスクについて理解しておくことが重要です。

①不動産投資用ローンは比較的高金利

居住用の不動産を購入するための住宅ローンと比べて、不動産投資用ローンは高金利になることが一般的です。なぜなら、不動産投資用ローンの返済は、賃借人からの家賃収入を原資としており、返済が滞るリスクがあるためです。

②不動産投資用ローンから住宅ローンへ借り換えできない可能性がある

前述の通り、不動産投資用ローンは住宅ローンと比べて高金利です。仮に不動産投資用マンションに自分で住むことになった場合、低金利の住宅ローンへ借り換えしたいと考えるでしょう。
しかし、不動産投資ローンから住宅ローンへの借り換えはできないケースがほとんどです。その理由のひとつが、居住スペースの面積です。

住宅ローンには、居住スペースとなる最低面積が指定されているケースがあります。投資用に購入したマンションがワンルームだった場合では、住宅ローンに必要な最低面積に満たない可能性があります。
なお、可否にかかわらず、借り換えは金融機関からの心象が悪くなる可能性があります。

不動産投資用ローンから住宅ローンへの借り換えの条件について不明点がある場合は、購入を検討する不動産会社、または金融機関に相談しましょう。

③家賃収入を得ることができない

投資用マンションに自分で住むと、当然ながら一部屋分の家賃収入が途絶えます。本来得られずはずだった一部屋分の家賃収入がなくなり、不動産投資用ローンの返済が滞る可能性があります。これにより、管理費や維持費の支払いにも支障が出るかもしれません。

④不動産投資用ローンの使途変更が契約違反に該当する可能性がある

不動産投資ローンを契約したまま自分で住む場合、契約違反にあたるおそれがあります。
不動産投資ローンの契約は、貸借人による家賃収入を踏まえて審査が行われます。しかし、投資用マンションに自分で住む場合は、この家賃収入が得られません。

借入時に予定していた家賃収入が得られないことは、金融機関にとって返済滞納のリスクが高まります。投資用マンションに自分で住む場合には、あらかじめ金融機関に相談することが重要です。

⑤入居者を退去させることが難しい

投資用マンションに自分が住みたいと思っていても、先に入居者がいる場合には、入居者を退去させない限り住むことはできません。しかし、入居者は「借地借家法」により保護されているため、正当な事由がなければオーナーが一方的に明け渡しを請求することは認められません。

▼借地借家法

第二十八条

「建物の賃貸人による第二十六条第一項の通知又は建物の賃貸借の解約の申入れは、建物の賃貸人及び賃借人(転借人を含む。以下この条において同じ。)が建物の使用を必要とする事情のほか、建物の賃貸借に関する従前の経過、建物の利用状況及び建物の現況並びに建物の賃貸人が建物の明渡しの条件として又は建物の明渡しと引換えに建物の賃借人に対して財産上の給付をする旨の申出をした場合におけるその申出を考慮して、正当の事由があると認められる場合でなければ、することができない。」

第三十条

「この節の規定に反する特約で建物の賃借人に不利なものは、無効とする。」

出典:e-Gov法令検索「借地借家法

「入居者が周辺住民に迷惑をかけている」「入居者が家賃を長期間滞納している」といったように、正当の事由があると認められなければ入居者を退去させることはできません。

また、明け渡しを請求する場合は、入居者との訴訟に発展する可能性もあります。「自分で住みたい」という理由では、入居者を退去させることは難しいといえるでしょう。

⑥減価償却費による節税ができない

不動産投資とは事業の一つです。そのため、不動産投資の所得には税金がかかります。
この税金による負担を抑える方法として「減価償却」がありますが、投資用マンションに自分が住む場合は「賃貸経営ではない」と判断されるため、減価償却費を経費として計上できない可能性があります。
節税対策として不動産投資を始められた方は、減価償却による節税効果が得られなくなる可能性があるでしょう。

減価償却費とは

減価償却費とは、長期間にわたり使用する固定資産を購入した場合に、その資産の耐用年数に応じて、何年かに分けて経費を計上する方法です。
投資用マンションを購入した場合では、購入した年に費用を経費として全額計上せず、耐用年数に従って分割計上します。

定額法とは、耐用年数内で毎年(毎期)一定の額を経費(減価償却費)として計上する方法です。
具体的には「1期分の減価償却費=取得額×定額法の償却率」で計算されます。定額法の償却率は耐用年数ごとに定められています。(※)

たとえば、耐用年数20年の物件を2,000万円で購入した際は、定額法の場合1年間に100万円分を費用として計上します。

(減価償却費)100万円 = (取得額)2,000万円 × (定額法の償却率)0.050 

このように、購入金額を分けて経費計上することで、所得税の納税額を抑えられます。

(※)国税庁 個人の減価償却制度の改正について(情報)Ⅲ 資料編 - 減価償却資産の償却率表

⑦住環境が優れない可能性がある

単身者向けの賃貸用物件は、広さや設備を重視しないケースがあります。なぜなら住環境よりも、駅・バス停からの距離や周辺施設などの利便性が重視されやすいためです。単身者向けの賃貸用物件に自分で住むと、住環境が優れず、住みづらさを感じるかもしれません。

不動産投資用ローンと住宅ローンの違い

不動産投資用ローンと住宅ローンには、明確な違いがあります。

目的が違う

不動産投資用ローンと住宅ローンでは、根本の目的が異なります。居住用の不動産は、人が生活を営むための基盤です。住宅ローンは、生活の基盤となる住宅を購入・増改築するために必要な費用を補填することが目的となっています。一方、不動産投資用ローンでは、投資によって利益を得るための資金を借り入れることが目的です。

金利が違う

前述したように、不動産投資用ローンと住宅ローンは金利が異なります。

住宅ローンの場合は、借り入れしている人の収入や職業によって借入金額の上限が設定されるため、返済原資となる収入などに変化がない限り貸し倒れのリスクが低いと金融機関に判断されます。そのため、金利は比較的低く設定されています。

これに対して不動産投資用ローンの場合は、空室の発生などで返済原資となる家賃収入が途絶え貸し倒れになる危険性があります。こうしたリスクが加味されて、金利は比較的高めに設定されています。

価格の基準が違う

居住用のマンションは「取引事例比較法」により価格が設定されます。取引事例比較法とは、対象となる物件に類似した他の物件の価格と比較して、価格を決定する方法です。

これに対して投資用マンションでは「収益還元法」によって価格が算出されます。収益還元法とは、購入する物件に見込まれる収益を想定して価格を決定する方法です。それぞれ物件価格の設定基準が異なるため、マンションの価格や住宅ローンの融資額にも差があります。

住宅用ローンの種類によっては広さの制限がある

住宅ローンの一部では、居住スペースに一定以上の広さが必要とされています。広さの制限を満たさなければ、住宅ローンを利用できない可能性があります。

仮に住宅ローンを組めた場合でも、減税の対象にならないこともあります。なお、住宅ローンの借り入れ条件は金融機関によって異なるため、事前に確認しておくことが大切です。

不動産投資用に住宅ローンを利用すると違法?

投資用マンションの購入に住宅ローンを利用すると、銀行に対する詐欺行為にあたり、行政処分を受ける可能性があります。もし不動産投資に住宅ローンの利用を勧めてくる場合は、悪用のリスクがあり、信頼できる不動産投資会社とはいえません。不動産投資を始める際に、住宅ローンを勧められたら、その会社は信頼に欠ける可能性があるという判断材料の一つになるでしょう。

発覚した際は一括返済を求められる可能性がある

住宅ローンを利用して不動産投資をしたことが発覚すると、借入残高の一括返済を求められる可能性があります。また、契約した金融機関からの信用を失うため、今後融資を受けることが難しくなるおそれがあります。

発覚する原因

「住宅ローンを投資利用しても、バレないのではないか」と考える方もいるかも知れません。しかし、以下のような要因によって発覚するリスクがあります。

郵便物により発覚する

たとえば、住宅ローンを契約したAさんが、Bさんに物件を貸し出したとします。
もし金融機関がAさん宛の郵便物を送っても、実際に住んでいる人物はBさんです。

郵便物の宛先が不明となれば、金融機関に返送されることがあります。そして、郵便物の返送を不審に思った金融機関が調査することで、Aさんの不正利用が発覚する可能性があります。

不動産事業者の調査により発覚する

物件を管理する不動産事業者が「住宅ローンを不正に利用していないか」と入居者を調査する可能性があります。ほかにも、不動産投資を検討している顧客に対して、不動産業者が住宅ローンを推奨している可能性も考えられるでしょう。不動産事業者の不正が発覚することによって、住宅ローン契約者の不正利用が発覚するケースがあります。

不動産投資用に住宅ローンを利用できるケース

利用目的を偽って住宅ローンを利用することは危険ですが、以下の場合には住宅ローンを投資のために利用できることもあります。

賃貸併用住宅である場合

賃貸併用住宅とは、ひとつの建物に「自分の居住用スペース」と「他人の賃貸用スペース」がある住宅です。自分の居住用スペースが建物の総面積50%以上を占める賃貸併用住宅であれば、住宅ローンを利用できるケースが多くあります。

やむを得ない事情がある場合

転勤による転居のように、やむを得ない事情によって家を空けるケースがあります。この際に、誰も住まなくなった住宅を他人に貸し出す場合であれば、住宅ローンを継続して利用できる可能性があります。ただし、金融機関によって判断が異なるため事前確認が必要です。

投資用マンションに自分で住むことをおすすめできるケース

例外として、投資用マンションへの居住をおすすめできるケースがあります。

  • 不動産投資用ローンを完済している
  • 居住環境に納得できる
  • 維持費の支払いができる
  • 空室がある

ただし、不動産投資用ローンを完済していても、投資用マンションの維持費や税金などは継続して発生します。家賃収入が減っても問題がないか、運用計画を見直す必要があります。

なお、不動産投資ローン返済中に、投資用マンションに自分が住む場合には、必ず金融機関へ確認することが重要です。

投資用マンションに自分で実際に住む場合のポイント

投資用マンションに自分が住む際に、気を付けた方がよいことを紹介します。

金融機関に確認を取る

まだ完済していない不動産投資用ローンがあるにもかかわらず自分で住むと、契約違反に該当する危険性があります。本来の目的と異なる方法で利用して、それが発覚すると、融資が打ち切られるかもしれません。場合によっては、借入残高の一括返済を求められる可能性もあります。

不動産投資用ローンの残高がまだ残っている場合は、用途を変更できるかどうか、あらかじめ金融機関に確認することを忘れないようにしてください。

住宅ローンの制限を把握する

投資用に購入した物件に住むことが認められたとしても、住宅ローンの借り換えができない場合があります。金利の低い住宅ローンに借り替えようとしても、受け付けてもらえない可能性があることを覚えておくとよいでしょう。

オーナーチェンジ物件は住宅ローンが利用できない

オーナーチェンジ物件とは、既に入居者が入っている状態で売りに出される物件です。購入する新しいオーナーは新しく入居者を募集する必要がないため、投資物件として手を出しやすいことが特徴です。ただし、オーナーチェンジ物件は入居者が既にいて、家賃収入が発生しているため、居住用の住宅ローンは利用できません。

まとめ

投資用のマンションに自分で住むことは、限られたケースを除いてあまりおすすめはできません。
ただし、不動産投資用ローンが完済していて、収入に問題がなく、住み心地に納得できるのであれば検討の余地はあります。投資した物件に自分で住もうと検討している方は、金融機関へ事前に確認しておくことを忘れないようにしましょう。

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