今さら聞けない、2020年の国際的スポーツ祭典と不動産投資の関係

2020年の東京での国際的スポーツ祭典が不動産投資に与える影響

2020年の東京での国際的スポーツ祭典の開催決定以降、東京の不動産市場は国内のみならず、海外からも注目を浴びています。

開催自体が注目を集める要因になっているだけでなく、それに合わせたインフラの整備、新規物件の建設など、この国際的スポーツ祭典の開催は不動産の価値を高める要素が多くあります。

実際に湾岸エリアでは、高層のタワーマンションが建設ラッシュを迎えています。それ以外にも、選手村として建設される施設は、閉幕後に6,000戸規模で分譲に出される計画があります。

幹線道路や路線の整備などのインフラも充実し、不動産投資家だけでなく都市部に住宅を購入したい若い世代にも人気を集めています。

この一大イベントの影響により不動産の将来的な価格の値上がりを見込めるため、不動産投資家には早いうちに購入しておきたいという動機があるのではないでしょうか。

昨今の東京の不動産市場に活況をもたらしているのは、特に海外の投資家が日本の不動産市場に参入してきているという背景が大きな理由の一つです。

日本の不動産投資は海外と比べて表面利回りが高いとされており、物件や設備への信頼性の高さ、治安の良さなども海外投資家の人気を高める要因になっています。

2020年の東京での国際的スポーツ祭典後、不動産市場はどうなる？

不動産市場の活況に対し、「2020年の東京での国際的スポーツ祭典の開催後に、不動産価格が下落するのでは？」と考える向きもあります。実際のところ、不動産バブルの崩壊といった事態は起こるのでしょうか。

東京での国際的スポーツ祭典が2020年に開催されることで、日本の不動産が海外投資家の注目を集めているのは先に述べたとおりです。一方で現在の日本の好調な不動産市場を支えている背景には、「不動産投資用ローンの超低金利」「相続税対策に不動産購入が効果的である」など、の要因も大きいのです。

1964年に開催された前大会では、地価の上昇はあったものの、国際的スポーツ祭典の影響は小さかったという評価がなされています。

また2012年に開催されたロンドンでの国際的スポーツ祭典は、その開催に合わせて都市の再開発が行われるなど、現在の東京と似たような背景を持っていますが、こちらも国際的スポーツ祭典と不動産価格の関連は少ないという調査報告があります。

つまり、国際的スポーツ祭典の影響で、好調に見える不動産市場ですが、そこだけに注目してしまうと、市場の好調をもたらしている原因を見誤ってしまう可能性があります。

不動産投資を考えるにあたっては、「国際的スポーツ祭典の開催イコール不動産市場の活況」という部分だけを見るのではなく、不動産にまつわるさまざまな状況や背景に目を向ける必要があると言えるでしょう。

2020年の東京での国際的スポーツ祭典を不動産投資のチャンスにするには……

現在の東京の不動産市場が活況を呈しているのは、まぎれもない事実。これをチャンスにして、その先の展開を考えていくことがこれからの不動産投資に必要です。

これから不動産投資を始めようとしているのなら、今後継続して人を集めることができるエリアや物件がどういったものなのか、東京の再開発の現状や人口動態に目を向けてみると良いでしょう。

すでに不動産投資を始めている方であれば、自分の持っている物件の入居率を高めるにはどうすれば良いのかを考える必要があります。日本全体で人口が減少する時代が、そう遠くないうちに始まるでしょう。そういったなかで、選ばれる物件とは何かを考えるのです。

たとえば、東京ではアジアヘッドクォーター特区という制度が設けられ、アジアからの企業誘致を図っています。誘致目標は外国企業400社以上。2020年の東京での国際的スポーツ祭典の開催によって、東京は外国人が訪れやすい都市になるので、そういった外国人からの需要に着目することもできます。

また人口が減少するとはいえ、高齢世代や単身世帯の減少は緩やかなので、今後のニーズの高まりが期待できます。

まとめ

2020年の東京での国際的スポーツ祭典と不動産投資の関係と、現在の不動産市場を今後の投資のチャンスに変えていくにはどうすれば良いのかを説明しました。

社会状況をしっかり捉え、チャンスを見出す視点も投資家には必要です。

とはいえ、一人で考えるには判断材料が不足するので、不動産のプロに相談したりセミナーに参加したりして、情報を集めるとよいでしょう。