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外国の投資家は、近年なぜ東京の不動産投資に熱い眼差しを注ぐのか

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今年発表された路線価によれば、もっとも高かった東京銀座が、あのバブル期を上回ったと話題になりましたが、再び東京の不動産価格が上昇し始める起爆剤となったのが、「2020年の東京オリンピック開催決定」です。

ロンドン・オリンピックやリオ・オリンピックなどの前例を見ても分かるとおり、オリンピック開催国は世界中から注目を集めるため、開催地の不動産は値上がりする傾向にあります。

そこで今回は、加熱する外国人投資家による東京への不動産投資の理由、そして今後の不動産市況の予測について解説します。

外国人投資家が都心の物件を買い占めている!?

すでにニュースなどでも報道されていますが、今日本でもっとも評価が高いとされている都心3区である千代田区、港区、中央区の不動産を、外国人投資家がどんどん買い占めています。

たとえば、2014年にオープンして話題を集めた「虎ノ門ヒルズ」についても、その住宅部分である「虎ノ門ヒルズレジデンス」については大半を外国人が購入しました。

ただ、購入の目的は東京に住むためではなく、あくまで「投資用」です。一部屋億単位はすると予想され、決して安い買い物ではないはずなのに、外国人投資家はなぜ積極的に投資しているのでしょうか。

外国人投資家が東京の不動産に投資する「2つ」の理由

日本に住んでいると、東京の物件は高いというイメージはあるかもしれませんが、それは単純に「人・モノ・カネが首都に集まっているから地価も上がっている」といったような見え方しかできていないのかもしれません。

外国人から見た東京の不動産には、日本人には気がつきにくい次のようなメリットがあります。

1:東京オリンピック開催決定

外国人投資家の東京への不動産投資1

オリンピック開催国の不動産価格については、少なくともオリンピックが開催されるまでの間はその期待とともに上昇すると言われています。

国内でしか活動していない日本人投資家からするとピンとこないかもしれませんが、世界中の投資家からすれば「東京の不動産はほぼ間違いなく値上がりするから、今が買い時」と判断して投資している側面があります。

これは、現在日本の不動産に投資している投資家の多くが、中国や台湾といったアジア系な理由でもあります。実は、北京の不動産に投資することを考えれば、東京の不動産は2~3割ほど安く購入できるのです。

そして、日本の場合は先進国で物価もある程度安定しており、治安もよいため、これまでの他のオリンピック開催国よりも投資がしやすいということも挙げられます。

2:円安

外国人投資家の東京への不動産投資2

外国人投資家が恐らく、もっとも基準としているのが「円安」です。

外国人が日本に観光に来る際に、お金を円に両替するのと同じで、外国人が日本の不動産を購入する場合も多額のお金を両替しなければならないため、当然「為替」の影響を受けます。

東京オリンピック開催決定以来、日本は円安状態にあるため、外国人から見た日本の不動産はそもそも「割安」に見えていたのです。

2014年の外国法人の不動産取得額が9,777億円にも上っていること、一部メガバンクが外国人向け住宅ローンの貸付基準を下げたことから、今後の円安による影響はとても大きくなると予想されます。

2017年に入ってからは、トランプ米大統領の影響や欧州の政治における懸念、米国が実施した2回の利上げのような円高要因が重なったことから、円高基調が強まっていました。それも現在は、落ち着きを取り戻しはじめています。

オリンピック開催国が「通貨安」になる理由とは

実は過去のオリンピックを振り返ってみても、開催国についてはオリンピック開催が決定してから通貨安になる傾向があります。

オリンピックの開催が決まると、今の東京のように国立競技場の建て直しや、高速道路の整備、選手村の建設など、多くの建物が建設され、インフラが再整備されます。それに関連する企業にはかなりの収益が発生し、株価上昇も火を見るより明らか。

また、不動産業界だけにとどまらず、オリンピック開催が決まってから増え続けているインバウンド外国人をはじめとする観光客の増加で、ホテル業界、観光業界にもかなりの収益が発生し、これによって東京を中心に海外マネーがどんどん落ちていきます。

通常、円高になると外国で日本の製品が売れなくなってしまい、株式が売られ、それによって株安の状況が発生します。

もちろん、円高でも輸入企業については反対に業績が上がるわけですが、日経平均株価の基準となっている225銘柄の企業については、輸入企業よりも輸出企業のほうが多く影響力が強いため、「円高=株安」という構図ができあがるのです。

では逆に、円安になると株高になるのでしょうか。答えは「イエス」です。

オリンピック開催決定によって経済が活性化すると、収益が増加した企業の株価が上昇していき、株安から株高の状態になります。こうした企業の株を購入するために、外国人取引者の所有していた円が使われます。

この時、円安状態で不動産を購入するのと同様、株価も割安になるため、円安は加速します。結果、オリンピックで経済が活性化することで、開催国の通貨安が進みます。

実際にリオ・オリンピックの際は、開催が決定してからの米ドル/ブラジルレアルにおいて、米ドル高、ブラジルレアル安へと遷移していきました。

為替の影響で通過安になると、物件価格が高いほど外国人投資家にとって割安感も大きくなり、お得に不動産を購入できることになります。

オリンピックが開催されるまでの間、こうした動きが活発になることで円安になり、価格の高い都心3区の物件を中心にどんどん売れ、日本人投資家の選択肢がどんどん狭まっていくのです。

外国人投資家と日本人投資家に見る「投資スタイル」の違い

外国人投資家の東京への不動産投資3

日本人投資家の多くはバブル崩壊を経験しているため、不動産投資をする際に売却益(キャピタルゲイン)を狙った投資を敬遠する傾向があります。

つまり、買った時よりも高く売ってその利ざやで利益を出せる時代ではないため、それよりも毎月の賃料収入(インカムゲイン)によって、中長期的にキャッシュを積み上げていく投資スタイルが主流です。

これに対し外国人投資家の場合は、今後東京の物件が値上がりすることを予測して購入しているケースが多く、インカムゲインというよりはキャピタルゲインをメインとして投資をしています。

特に最近までは、通常より割安感のある投資が可能となっていたため、キャピタルゲインを狙いたい外国人投資家にとっては非常によい条件が整っていたのです。

インカムゲイン狙いで投資をする場合、どうしても利回りを優先して考えなければならないため、一定以上の価格では購入を断念せざるを得ません。

ところが多くの外国人投資家の場合、そもそもインカムゲインにはそこまで興味がないため、日本人では買わないような高額物件でもどんどん購入していたのです。

現在不動産価格が高止まりしているが、どうなる?

ところが、現状では都内の不動産価格は上昇したものの、いったん高止まりしている印象です。

一部の投資家のなかには、これから価格が落ちてくるのではと心配している人もいるようですが、はたして本当にそうなるでしょうか。

そもそも現在、不動産価格の動きがストップしているのは、外国人投資家の動きが鈍っているからではなく、むしろ日本側でブレーキを踏んでいるのです。というのも、昨今の不動産価格上昇の大きな要因となった「マイナス金利政策」が大きく関係しています。

マイナス金利政策によって、銀行の不動産向け融資金利もどんどん引き下げられ、不動産投資家にとってはこれ以上ないくらいの借入時となっていました。

ところが、今年に入ってから金融庁が「銀行の不動産向けの貸出残高が、昭和のバブル期を上回っている」と指摘し、この流れを抑制しようと動きました。これにより、不動産市況が一時的に鈍っているという状況です。

これによって影響を受けると考えられるのは、一部低基準の住宅ローンを利用する予定の、中国を中心とした中流所得層の投資家でしょう。ですが、都心3区に端から目をつけているような高所得層にとっては大きな問題ではありません。

まだ東京オリンピック開催まであと2年あるため、今後は東京の不動産価格が上昇する可能性が高いはず。一部様子見をしていた海外投資家が動き出すのも、時間の問題でしょう。

日本の投資家は「民法改正前」に動くべき

外国人投資家の東京への不動産投資4

実は、国も外国人投資家の参入に積極的です。というのも、昨今国会で議論され、今後3年以内に施行が決定している「改正民法」では、外国人投資家の参入も視野に入れた改正が盛り込まれています。

たとえば、現行民法では「瑕疵担保責任」という考え方がありますが、この考え方は日本人独特のもので外国人には非常になじみのないものであり、日本の不動産に投資する際のデメリットにもなっていたそうです。

これを改正民法では「契約不適合責任」と改め、責任を負う範囲を契約で明確にすることと再定義されたため、外国人投資家でも安心して日本の不動産に投資しやすくなります。

瑕疵担保責任 売買の目的物について数量の不足などがある場合、瑕疵(傷や欠点)などがある場合に、売主が買主に対して責任を負うというもの。
契約不適合責任 売買の目的物が種類や品質、数量について契約の内容に適合しない場合に、売主が買主に対して責任を負うというもの。

これらの要因を総合的に考慮すると、現状不動産価格がいったん落ち着いている今こそ、足踏みをしている投資家が動き出す最後の好機なのではないでしょうか。

【この記事のポイント】

  • 東京オリンピックの開催決定と円安が、外国人投資家が東京の不動産に投資する理由
  • 外国人投資家の場合、キャピタルゲインをメインとして不動産投資を行う
  • 民法の「瑕疵担保責任」が「契約不適合責任」に変わり、責任を負う範囲が契約で明確になるため、外国人投資家が日本の不動産に投資しやすくなる
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