賃貸管理の委託とは?費用や業務内容を解説!
不動産投資における賃貸管理業務にはさまざまな業務が含まれています。入居者に快適な住空間を提供し、入居率の向上を図ることで家賃収入の安定が期待できます。本記事では、賃貸管理会社に委託する際の業務内容などについて解説します。
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賃貸管理の委託とは
賃貸マンションなどの不動産管理は、賃貸管理会社に委託することが可能です。ただし、賃貸管理会社によって委託できる業務内容は異なります。また、物件を購入した不動産会社またはグループ会社で賃貸管理を依頼できる場合もあります。
その場合は、物件購入時に賃貸管理について不動産会社に確認しましょう。または、自分自身で賃貸管理会社を探す場合は、希望する委託業務の内容を確認した上で比較検討することをおすすめします。
賃貸管理会社に委託することで、管理に対する時間や労力が省けます。
主な管理業務は大きく分けて2種類
賃貸管理会社に委託できる主な業務について解説します。
①入居者管理業務:入居者募集から退去までの「入居者」に関する管理
- 1入居者の募集
- 2契約手続き全般
- 3入居者のクレーム対応
- 4家賃管理業務や滞納家賃の回収 など
②建物管理業務:物件のメンテナンスや清掃などの「建物」に関する管理
- 1敷地内の巡回清掃
- 2設備の点検や修繕
- 3クリーニングやリフォーム など
※賃貸管理会社によって、一部内容が異なる場合があります。
それぞれの業務内容には違いがあるため、両方を請け負う賃貸管理会社1社に委託するか、各業務を分けて複数の会社に委託するかを検討しましょう。
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入居者との関係構築が得意な賃貸管理会社に委託
入居者管理業務は、プロパティマネジメント業務とも呼ばれ、入居者様との対人関係を築くことも大切です。入居者様と良好な関係性を構築することで、「入居率の維持」や「法的手続きの円滑化」につながりやすいです。
また、入居者様が安心して継続的に暮らせるようクレーム対応業務や、家賃管理業務も委託できる場合があります。
入居者管理業務を委託した場合、賃貸管理会社とは長期的なお付き合いになるケースもあります。そのため「不明点や問題が生じた際に、気軽に相談しやすい担当者であるか」ということも確認しておくことをおすすめします。
ここでは、入居者管理業務の詳細についてご紹介いたします。
①入居者の募集
空室が発生すると賃貸管理会社は、不動産ポータルサイトや自社サイトなどを使用して入居者様を募集してくれます。その他、入居希望者からのお問い合わせや内覧の立会いを含め、賃貸契約を結ぶまでの業務を任せられる場合があります。
入居者様が決定すると、賃貸管理会社は仲介手数料を物件オーナー様や新規入居者から受け取る場合がほとんどです。
不動産投資では空室率を下げることで収益維持につながる可能性があります。そのため、賃貸管理会社を選ぶ際は、入居者様の募集に関するノウハウを豊富に持ち、実績・営業力のある会社をおすすめします。
②契約手続き全般
賃貸管理会社は、入居から契約更新、契約解除・退去に伴う手続き全般の委託も請け負う場合がほとんどです。賃貸管理会社に委託すれば、重要事項説明・契約書の交付も請け負ってくれます。
重要事項説明
- ●賃貸借物件の各種説明・各種契約内容の確認 など
賃貸借契約
- ●貸主さま及び管理業者について
- ●賃貸借の物件について(住所・構造・面積・設備など)
- ●契約期間及び更新について
- ●賃料・敷金・共益費・支払い方法について など
契約業務は、法律により宅地建物取引士の有資格者が行わなければなりません。入居後のトラブル回避にも直結するため、慎重に進める必要があります。
また、敷金・礼金・契約更新料といった契約業務は、契約内容によって物件オーナー様の収益に直接影響を及ぼす可能性があります。そのため、貸主さまである物件オーナー様の判断を仰ぐ場合があります。
③入居者のクレーム対応業務
管理業務には、入居者からのクレーム対応業務も含まれている場合があります。
- ●入居者さまの騒音に関するクレーム
- ●入居者さま同士のトラブル仲裁
- ●室内設備の故障・修繕 など
※賃貸管理会社によって、一部内容が異なる場合があります。
上記のようなクレーム対応が遅くなると、トラブルの悪化や退去者を増加させる要因になりかねません。そのため、対応策を熟知し、迅速に解決するプロである賃貸管理会社に委託することが得策ではないでしょうか。
④家賃管理や未納家賃の回収
家賃管理業務に関しては、物件オーナー様への口座振込み、未納分の家賃回収も委託できるケースもあります。
万一、長期的に家賃を滞納している入居者さまが現れた場合、その滞納期間に応じて以下の回収措置を講じことがあります。
- ●賃貸管理会社から家賃滞納者への督促
- ●家賃連帯保証人への連絡
- ●賃貸借契約の解除措置 など
※賃貸管理会社によって、一部内容が異なる場合があります。
家賃滞納トラブルが長期化・常習化に発展した際には、弁護士・司法書士への依頼対応を要する場合もあります。その際の対応も賃貸管理会社に委託し、トラブル沈静化の労力削減を期待できるかもしれません。
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建物の清掃・メンテナンス・修繕も業務委託
建物管理はビルメンテナンス業務とも呼ばれ、物件の清掃や、メンテナンス、修繕に関する業務を委託できる場合もあります。
こまめな清掃や定期的なメンテナンスは、物件の状態・景観を維持するだけではなく、入居者さまへの快適な住空間の提供にも結果的につながります。そのため、建物管理も空室率を下げるためには欠かすことができないと考えられます。
①敷地内の巡回清掃業務の対応
物件敷地内の巡回清掃や共有部分のメンテナンスを行う場合がほとんどです。主な業務内容は以下のとおりです。
- ●敷地内の害虫・雑草駆除
- ●植栽や伐採といった景観保持
- ●廊下を含む共有部分の電灯交換
- ●ゴミ置き場の清掃
- ●共有部分の巡回清掃 など
※賃貸管理会社によって、一部内容が異なる場合があります。
上記以外にも、「ゴミ置き場に不法投棄されている場合」は適切に対応してもらえます。さらに、「再発防止対策として入居者へ廃棄方法の周知」なども対応してくれる場合もあります。
②設備の点検や修繕業務の対応
物件に付随する設備、または建物の外観に関する点検や修繕を行う業務です。
- ●エアコン・水回り・給排水設備・浄化槽といった設備の故障や不具合の修繕
- ●退去後の室内清掃・修繕
- ●建物の経年劣化部分に対する点検・修繕 など
修繕・点検は、必要に応じて賃貸管理会社から専門業者へ再委託されます。
こまめに修繕して物件の劣化を未然に防ぐことが、家賃の値下げを回避するために重要な業務となります。
③クリーニング・リフォーム
入居者の退去後に室内クリーニングやリフォームを専門業者に手配することも、賃貸管理会社の業務となる場合がほとんどです。
退去後に部屋をリフォームし、人が暮らしていた形跡を感じさせないことが新しい入居者の決定率を高める要因になると考えられます。
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賃貸管理委託にかかる手数料
賃貸管理委託には、仲介手数料と、管理委託費が発生します。
仲介手数料は宅地建物取引業法(※)により、下記のように上限が制定されています。
- 仲介手数料の上限=1か月分の1.1倍の家賃(消費税を含む)
(※)参考:国土交通省「宅地建物取引業法関係 第五 賃借の代理に関する報酬の額」
賃貸管理では、上記の上限額内で、物件オーナー様と入居者さまの労力の割合を賃貸管理会社と話し合い、決定します。一方で、管理委託費の上限は定められていないため、賃貸管理会社によって料金設定が異なります。
【管理委託費の例】
- ①固定報酬方式 【毎月の請求額が一定】【費用は月額】
- ②変動報酬方式 【月の家賃収入によって請求額が変動】【家賃収入の5%】
※賃貸管理会社によって、一部内容が異なる場合があります。
日商エステムグループの場合、委託管理費は家賃収入額の5%前後です。賃貸管理会社によって差があるため、事前の確認が欠かせないでしょう。また、以下のような項目は別途請求される可能性があります。
- ●修繕費用
- ●システム使用料
- ●更新事務手数料
※賃貸管理会社によって、一部内容が異なる場合があります。
見積もりの際には業務範囲をしっかり確認しておくことをおすすめします。
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賃貸管理委託の注意点 【別料金となる場合】
賃貸管理を委託するうえで注意しておきたい点は、前述した管理手数料に含まれる業務内容です。業務内容によって管理手数料に含む場合、含まない場合など、会社によって異なります。そのため、契約前には必ず委託する会社が管理手数料の範囲内で、どこまでの業務に対応しているかを確認しておきましょう。
例えば、以下の項目については別途料金を請求される場合もあります。
【別途料金請求の一例】
- ●退去後の原状回復
- ●室内の修繕・交換
- ●賃貸契約の締結・更新
- ●修繕費用
- ●システム使用料
- ●更新事務手数料 など
※賃貸管理会社によって、一部内容が異なる場合があります。
また、クラウド型賃貸管理などの独自のシステムを使用している賃貸管理会社では、「システム使用料」の名目で請求されることもあります。賃貸管理費用の低さだけではなく、別途請求される料金や手数料を含めた総額・1年間に必要となるランニングコストを算出してもらいましょう。
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賃貸管理の委託ポイント
賃貸管理には多くの管理業務が付随します。そのため、自主管理するには多くの時間や労力が必要です。そこで、賃貸管理を委託する3つのポイントをご紹介します。
ポイント① 管理負担の軽減
賃貸管理の委託は、物件オーナー様の肉体的・精神的な負担を軽減につながる場合があります。
入居者さまのトラブルがいつ発生するかは予測が難しく、休日・昼夜を問わず突然のトラブルにも対応しなくてはならない場合があります。
例えば、副業として不動産の経営をされている方が賃貸管理を委託することで、労力や時間を削減できれば、本業に専念できる時間がより多くなるでしょう。
ポイント②遠方物件の管理
賃貸管理を委託しておけば、遠方に立地する好条件の物件を購入した際も、賃貸管理会社が管理をしているので労力がかかりづらいです。
自主管理した場合、巡回清掃やメンテナンスのために、物件訪問する機会が増える可能性があります。自宅から遠方にある物件を購入した際には、この自宅からの距離が物件オーナー様の労力を増加させる要因となる場合があります。
上記のポイントを踏まえると、遠方物件の管理には賃貸管理会社への委託が、特に重要になってくるのではないでしょうか。
ポイント③入居者の満足度
入居者管理のプロである賃貸管理会社にクレーム対応や修繕、入退去者の管理を委託すれば、業務を円滑に進めてくれるため入居者の満足度アップにつながることが期待できます。
もしも、賃貸管理会社のサポート体制が良好であれば、空室リスクをカバーできるかもしれません。高い入居率と安定した家賃収入を求められる方には、賃貸管理委託をおすすめします。
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まとめ
【メリット】
●入居者との関係構築が得意な賃貸管理会社が望ましい
●管理負担の軽減を期待できる(遠方物件含む)
●入居率を向上させることで、空室率のカバーや家賃収入増加を期待できる
【管理業務の把握】
- 管理業務の種類や範囲を把握しておくことで、管理会社へ委託しやすくしておきましょう。
- ①入居者管理業務
- ・入居者を募集
- ・契約手続き全般
- ・入居者のクレーム対応
- ・家賃管理や未納家賃の回収 など
- ②建物管理業務
- ・建物の清掃、メンテナンス、修繕
- ・敷地内の巡回清掃
- ・設備の点検や修繕
- ・クリーニングや退去後のリフォーム など
※賃貸管理会社によって、一部内容が異なる場合があります。
マンション経営において、賃貸管理会社は不動産経営のパートナーとなる存在です。運用に関して気軽に相談できて、実績・営業力・信頼のある賃貸管理会社を選ぶことをおすすめします。
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