- 不動産投資ローン
マンション経営の不動産投資用ローンとは?基礎やメリットを紹介!
マンション経営を始めるにあたって、不動産投資用ローンを組むことがほとんどです。
しかし、マンション経営をはじめとした不動産投資が未経験の方にとって、不動産投資用ローンの契約に不安がある方も多いのではないでしょうか。
この記事では、マンション経営における不動産投資用ローンの基礎知識をはじめ、「不動産投資用ローンを組むメリット・安定した返済のポイント」をご紹介します。
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マンション経営を始めるには
マンション経営を行うためには、収益を得るためのマンションを購入する必要があります。しかし、マンション購入には多大な費用がかかり、自己資金で賄える人はそう多くはありません。
そこで活用できるのが「不動産投資用ローン」です。
借り入れには審査が必要ですが、不動産投資用ローンを組むことにより、現在手元にある自己資産以上のマンションを購入することが可能です。
また、マンション経営は一般的に「事業」とみなされていますが、必ずしも開業届を提出する必要はありません。マンション経営には1部屋単位で始められる「区分所有」とマンション一棟を所有する「一棟所有」があるためです。
区分所有でのマンション経営は、多くの場合10部屋以下であれば事業的規模であるとみなされないため、開業届を提出せずに始められます。
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不動産投資用ローンとは
不動産投資用ローンとは、マンション経営をはじめとする不動産投資のためのローンです。
不動産に関するローンという意味では、住宅ローンと似ていると感じる方もいますが、不動産投資用ローンと住宅ローンは全くの別物です。
住宅ローンとは、自身の住居とする住宅を購入するときに融資されるローンです。それに対して不動産投資用ローンは、不動産経営で収益を得ることが目的の住宅に融資されるローンを指します。収益を得ることが目的のため、不動産投資用ローンの融資額は住宅ローンよりも高額になる場合もあります。(融資の際の審査や条件により異なります。)
また、不動産投資用ローンと住宅ローンでは、審査内容も異なります。不動産投資用ローンにおける代表的な審査基準は、「収入・勤務先・資産状況など個人の信用」だけでなく、「物件の将来的な収益性」も重要視されます。つまり、購入した物件が将来的に採算が取れるかどうかの評価も審査結果に大きく左右されるということです。将来的な採算を期待できる物件であると判断された場合は、相場よりも高額な融資がおりるケースもあります。
以上のような特徴から、おおむね年収500万円以上のサラリーマンの方や公務員の方なら、不動産投資用ローンを組んでマンション経営を始める方が多いのではないでしょうか。
なお、マンション経営の「区分所有」なら1部屋からスタートできます。1棟経営を視野に入れる場合はアパート経営という手段もありますが、空室リスクや維持管理の負担という観点から、不動産経営初心者の方は、1部屋から始めることをおすすめします。
不動産投資用ローンを組むメリット
不動産投資用ローンを組むことで、さまざまなメリットが期待できます。
自己資金が少なくても借り入れが可能
不動産投資用ローンの審査では、不動産の運用内容(マンションの経営状況)が重視されるため、現在の自己資金が購入予定物件の金額に届かなくても借り入れが可能です。これにより「レバレッジ効果」が期待できます。
レバレッジ効果とは、直訳すると「テコの原理」という意味になりますが、マンション経営におけるレバレッジ効果は「少ない自己資金で大きな収益を得る」という意味で使われます。自己資産が少ない場合でも融資額を合わせることで、マンション経営でより多くの収益確保を狙えます。
たとえば、自己資金額が3,000万円だったとします。仮に、購入価格3,000万円、利回り10%の物件があったとして、自己資金のみで購入した場合収益は300万円です。
しかし、不動産投資用ローンを組んで、自己資金の3,000万円に加えて2,000万円の融資を受けることができたとします。すると、5,000万円の物件を購入できるようになり、利回りは同じく10%でも収益は500万円と跳ね上がります。
このように、不動産投資用ローンを利用すると、不動産投資用ローンを利用せずにマンション経営を行った場合と比べ、より多くの収益を得られる可能性があります。投資額より自己資金額が少なくても始められるのは、株式投資など他の投資方法にはないメリットです。
初期費用の節約が期待できる
前述したように、マンション経営で大きな収益を上げようとすると数千万円の資金が必要になる場合があります。この金額を全て自己資金でまかなうことは、容易ではありません。自己資金でまかなえたとしても、出費の分だけ手元に残る資金は当然減ってしまいます。
さらに、マンション経営では、初期費用だけでなく継続的な維持管理費や修繕費なども必要です。継続的な出費も考慮し、初期費用を抑えるためにも不動産投資用ローンを活用しましょう。
不動産投資用ローンを借り入れて初期費用を抑えることができれば、投資後の生活にも余裕を持たせることが可能です。また、不動産投資用ローンの返済は月々の家賃収入があれば相殺できるため、不動産投資用ローンを組んだ後も、普段の生活スタイルを大きく変更することなく、マンション経営ができるというメリットがあります。
団体信用生命保険への加入
不動産投資用ローンや住宅ローンには、「団体信用生命保険」という保険が付帯していることが一般的です。団体信用生命保険とは、不動産オーナー(ローン契約者)が死亡・高度障害状態となった場合(※1)などに、当該保険が適用され、それぞれのローン残債が全額弁済される保険制度です。
(※1)金融機関・保険会社により、保障内容などは異なります。
この団体信用生命保険が適用されれば、残された家族は不動産投資用ローンや住宅ローンの支払いに追われることがなくなります。つまりローン残債の無いマンションを家族に残すことができ、入居者がついている限り家賃収入を継続して得たり、物件売却によってまとまった資金を得たりすることも可能です。
このように、万一のときでも残された家族が安心して生活できる点も団体信用生命保険のメリットです。
また、団体信用生命保険は通常の生命保険と違い、年齢によって保険料率や金利が左右されません。団体信用生命保険の保険料は、不動産投資用ローンや住宅ローンの金利に含まれているため、新たに保険料を支払う必要もありません。
経営の拡大がしやすい
不動産投資用ローンを組むことで、マンションの家賃収入によって資金を貯めてから、次の投資用物件を購入しやすくなります。
マンション経営では、不動産投資用ローンの借入額を増やさずに、まずは完済を目指した方がよいと思われる方もいらっしゃるのではないでしょうか。不動産投資用ローンは借金とも考えられるため、一般的には早く完済した方が利息が減るため得とされています。
しかし、マンション経営においてはその限りではありません。マンション経営では手元の資金が重要です。手元の資産がなければ継続的な費用がまかなえないだけでなく、さらなる投資のチャンスも逃しかねないからです。
ひとつ目のマンションで手元の資金を増やし、再び不動産投資用ローンを組んでマンション経営を拡大できればさらなる収益アップが期待できます。
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不動産投資用ローンの金利の種類
不動産投資用ローンや住宅ローンには、2種類の金利が存在します。どちらの金利で借り入れられるかは、金融機関によって異なるため借り入れの際に確認しておくことが重要です。
固定金利
固定金利とは、不動産投資用ローンや住宅ローンを受けたときから完済するまでの利率が変動しない金利です。
金利の変動に影響を受けないため、借り入れ時から返済額が変わることはありません。また、返済総額が固定されているため、資金管理がしやすいというメリットがあります。
ただし、固定金利の場合、変動金利よりも利率が高く設定されているケースが多いため、トータルの返済額が高くなりやすいという注意点もあります。
変動金利
変動金利は、市場の金利に応じて不動産投資用ローンや住宅ローンの金利が見直される金利です。金利の見直しタイミングは、金融機関によって異なりますが、半年ごとに見直されるのが一般的なようです。
低金利の利率状況が続いている時に変動金利を選択することで、固定金利よりも利率を低くできる利点があります。
一方、金利が上昇した場合には返済額が増えるのですが、不動産投資用ローンや住宅ローンには、金利上昇に関する2つのルールがあります。
1つ目は「5年ルール」で、変動金利の金利が上昇しても、5年間は毎月の返済額が変わらないというルールです。返済額の増額に備えるための準備期間とすることができます。
2つ目は「125%ルール」で、変動金利の金利上昇は、金利見直し前の金額から1.25倍が上限とされています。そのため、すぐに予想を大きく上回って請求される心配はありません。
不動産投資用ローンの審査を通過するポイント
不動産投資用ローンで融資を受けるには、審査に通過する必要があります。
ここからは、不動産投資用ローン審査の評価ポイントについてご紹介します。
収入の安定性
職種や勤続年数、年収といった要素から収入の安定性が評価されます。上場企業や大企業に勤めている人や、弁護士・司法書士などの士業、公務員などは審査に通りやすい傾向にあります。
また、派遣社員よりも正社員の方が収入は安定していると判断される場合が多く、不動産投資用ローン審査では有利に働きます。短期転職を繰り返していると不利になる場合がほとんどなので、注意が必要です。
年齢や健康状態
申し込み時点、および完済時の年齢も不動産投資用ローン審査に影響します。定年を迎えたあとに収入が減少することは、金融機関にとってリスクとみなされるためです。
また、健康状態に関していうと、病気で働けなくなり収入が減ることは金融機関にとってリスクとみなされます。団体信用生命保険へ加入するときにも健康状態について審査が行われます。マンション経営を始めるときは、比較的若い時期でなおかつ健康なうちに始めることが望ましいといえます。
自己資金額
物件購入時の頭金を増やすことで、不動産投資用ローンの審査に通りやすくなります。頭金を多く払うことで融資額が減り、債務不履行によるリスクが軽減されるためです。
手元の資金は多い方が安心ですが、手元の資金を増やしたいあまりに頭金を減らしてしまうと、不動産投資用ローンの審査が通らなくなる可能性もあります。手元の資金と融資額のバランスを考えたうえで、無理のない範囲で頭金を準備することが重要です。
物件への評価
不動産投資用ローンにおいて、物件への評価は非常に重要な項目です。物件に安定した収入が期待できる場合は、不動産投資用ローンの審査が通りやすくなります。
以下のような物件は、金融機関からの評価が高くなる傾向にあります。
- 設計性能評価・建設性能評価などの、第三者から評価書を取得しているマンション
- 人口が多いエリアや交通アクセスの良い場所に建っているマンション
- 新築マンション
このような物件であれば、不動産投資用ローンの返済ができなくなったとしても物件評価額が高くなる傾向にあるため、売却することで融資額を回収できる可能性があります。
また、立地などの条件が良い物件であれば空室になるリスクも低下するため、結果として不動産投資用ローンも安定的に返済できるのではないでしょうか。
安定して不動産投資用ローンを返済するためには
不動産投資用ローンを安定して返済するためには、以下を実施することが重要です。
立地や物件の選定
駅からの近さや商業施設の利便性など、立地の良いマンションは空室率を減らせる傾向があります。利用者の需要を調査し、人気のある立地や間取りを調べて空室率の低い物件を選ぶことが、不動産投資用ローンの安定的な返済へとつながります。
節税対策
節税対策についての知識を身に付けることも重要です。
不動産投資用ローンにおける節税対策として代表的なものは、以下の2つです。
■減価償却
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不動産の取得費用を何年かに分割して経費として計上する会計処理のことをいいます。不動産は耐用年数が定められており、年数が経過するほどに資産価値が減っていきます。耐用年数に応じた費用を経費として計上することで、年度の収益を減らし節税することが可能です。
■損益通算
- 利益と損失を相殺して所得金額から控除すること。不動産経営で損失を出してしまったとしても本業の利益から相殺することができるので、節税につながります。
日ごろから管理を行う
定期的にメンテナンスがされているマンションは、住民も安心して暮らせるため、空室率を減らすことにつながります。
また、住民の家賃入金状況を日ごろからチェックすることも重要です。家賃の入金状況をこまめにチェックしていれば、万が一家賃の滞納があった場合に、すぐに対応できるようになります。万が一支払いのない場合でも、家賃回収に向けた適切な処置を早めに実施できるでしょう。
まとめ
不動産投資用ローンを利用することで、自己資産よりも高い金額のマンションを購入することが可能になってきます。不動産投資用ローンを組むことに不安がある方でも、仕組みや不動産経営の知識を身に付けることで、安心して借り入れできるでしょう。
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