【2017年基準地価更新】不動産投資は3大都市圏のどこがねらい目?
毎年一回、都道府県から「基準地価」が発表されます。これは、公示地価とともに、地価の標準的な価格を公的に知るための指標になるものです。
購入したい物件の価格が適正であるかどうかを客観的に考えるきっかけにもなる数値なので、不動産投資を考える際には知っておくとよいでしょう。
土地の価格を知るさまざまな指標
不動産投資を考えるうえでは、建物だけでなく土地の価格を考えることも重要です。とはいえ、土地の価格というのは、一律に決定できるものではなく、諸条件によって左右されるので、何が正解とは言い難いものです。地価を知る参考になる指標は公的なものとして、「路線価」「公示地価」「基準地価」があります。
①「路線価」
毎年、路線価の最高価格地点がニュースにもなりますから、路線価という言葉は知っているという方も多いのではないでしょうか。
路線価には「固定資産税路線価」と「相続税路線価」の2種類があり、その名の通りそれぞれの税額を決める際の指標となる数字です。個別の土地に対してではなく、路線(道路)に面した宅地の価格が路線価の価格です。ですので、同じ路線(道路)に面した宅地は同じ評価となるため、個々の土地の状況は反映されません。
②「公示地価」
公示地価は、国土交通省が年に1回公表する土地の価格で、調査対象の土地は基準地という形で定められています。基準地は、原則的に都市計画区域内の土地になります。
国が調査、公表するものですので、この価格が公共事業での土地取得の目安になったり、土地取引の指標になったりしています。毎年1月1日時点の価格が、その年の3月に公表されています。
③「基準地価」
基準地価は、内容としては公示地価とほとんど変わらないものですが、調査の主体が国ではなく都道府県にあり、対象となる土地が都市計画区域だけでなく、それ以外の住宅地や商業地なども含まれています。
また、7月1日時点の価格が調査対象なので、公示価格から半年間の価格の変動を見ることに使われることもあります。
基準地価を不動産投資の参考に
路線価や公示地価、基準地価が必ずしも実際に売買される土地の価格を反映しているかというと、決してそうではありません。土地の価格はその時の社会や景気の状況、土地の形、需要によって大きく変動するものだからです。
人気のある場所では、これらの地価よりも実際の価格が高くなることもありますし、地方などでは地価よりも低い価格で売買されることもあります。
しかし、これらの地価は公的な機関が客観的な調査に基づいて発表しているものですから、その土地の価格を考えるにあたって参考になります。
その時の価格だけを見るのではなく時間の経過とともに、その地域の地価の変動を見たり周辺エリアとの違いをみたりすることで、不動産投資の狙い時や需要が高まっている地域などの判断材料にするとよいでしょう。
最新の基準地価の動向
では2017年9月に実際に発表された最新の基準地価についてみていきましょう。
東京、大阪、名古屋のいわゆる3大都市圏は軒並み地価が上昇しています。住宅地については全国平均ではマイナスですが、3大都市圏は0.4パーセントのプラスです。その中でも東京においては0.6パーセントのプラスで、すべての区においてプラスでした。
商業地は全国平均でもプラスとなっていますが、とくに上昇率が高いのがプラス4.5パーセントの大阪圏です。名古屋圏についても、住宅地、商業地ともに上昇しており、各地域ともに、地価が上昇していることが分かります。
海外からの観光客が増加し、今後オリンピックに向けてますますの増加が期待できることから、商業地の店舗やホテルの需要が増していること、国内においては住宅ローンの金利が低くなっていることから、住宅需要も高い状態が続いていることの反映と言えるでしょう。
不動産投資のねらい目は?
全国的に見ると、住宅地の地価はマイナス。商業地の地価も微増にとどまっていることを考えると、3大都市圏はいずれも堅調に地価が推移しているとみることができます。
つまり、これらの地域であればどこであっても不動産投資を始める価値があるのです。
もちろん、東京であれば単身者向けのワンルーム、大阪圏、名古屋圏であれば、ファミリー向けマンションが確実など、地域ごとに特性があります。
地域の中で、どういった物件の需要が高いのかを考えてみるとよいでしょう。
まとめ
全国的な傾向として、大都市圏に人が集まる傾向は今後ますます顕著になっていく見込みです。
また、今は銀行からの融資を受けやすかったり、金利が低かったりと、不動産投資を始めるのには最適なタイミングです。不動産投資は、早く始めるほど将来的には有利ですから、悩んでいるなら、できるだけ早く行動に移すことをおすすめします。
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