マンション経営で目指す!単身者でもダブルインカム、夫婦でもトリプルインカム。
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年収400万円未満が半数以上 個人年収ではなく世帯年収という考え方が大切です
日本全国には多くの給与所得者の方がいらっしゃいます。国税庁が発表した「令和2年 民間給与実態統計調査 給与階級別分布」(※1)によると、給与所得者は約5,244万6,000人。給与階級別分布のグラフからは、2つのことが見えてきます。
1.最も多い年収帯は、300万円超400万円未満 約17.4%(図中①)
2.400万円未満の合計は約55.1%(図中②)
給与階級別分布
(※1)国税庁「令和2年分 民間給与実態統計調査 給与階級別分布」https://www.nta.go.jp/publication/statistics/kokuzeicho/minkan2020/pdf/002.pdfを加工して作成
給与所得が400万円未満は、約55.1%と全体の半数以上を占めており、平均給与の433万円(※2)を下回っている層がまだまだ多い状態です。
また、政府は働き方改革の推進(※3-1 ※3-2)に伴い、いわゆる副業を推進していますが、筆者としては、自分一人の労働力や収入には限界が伴うと考えます。そこで、注目すべきなのが世帯年収という考え方です。つまり、「一つの世帯で年間にどの程度の所得を生み出せるか」という考え方が、今後は重要になってくるのではないでしょうか。
(※2)国税庁「令和2年分 民間給与実態統計調査 概要」https://www.nta.go.jp/publication/statistics/kokuzeicho/minkan/gaiyou/2020.htm#:~:text
(※3-1)東京新聞TOYO WEB(2019年6月7日)
(※3-2)首相官邸「働き方改革を推進するための関係法律の整備に関する法律」が成立しました 平成30年7月6日http://www.kantei.go.jp/jp/headline/ichiokusoukatsuyaku/hatarakikata.html#headline
女性の活躍により共働き世帯の増加
近年では夫婦共働きの世帯数がとても増えているようです。(※4)これは1986年の男女雇用機会均等法、さらに2015年の女性活躍推進法などの施行により、労働市場における女性活躍の場が、拡大していく事につながると考えられます。
専業主婦世帯と共働き世帯
(※4)独立行政法人 労働政策研究・研修機構「早わかり グラフでみる長期労働統計」専業主婦世帯と共働き世帯 https://www.jil.go.jp/kokunai/statistics/timeseries/html/g0212.html
資料出所 総務省統計局「労働力調査特別調査」、総務省統計局「労働力調査(詳細集計)」
注1「専業主婦世帯」は、夫が非農林業雇用者で妻が非就業者(非労働力人口及び完全失業者)の世帯。2018年以降は、厚生労働省「厚生労働白書」、内閣府「男女共同参画白書」に倣い夫が非農林業雇用者で妻が非就業者(非労働力人口及び失業者)の世帯。
注2「共働き世帯」は、夫婦ともに非農林業雇用者の世帯。
注3 2011年は岩手県、宮城県及び福島県を除く全国の結果。
注4 2013年~2016年は、2015年国勢調査基準のベンチマーク人口に基づく時系列用接続数値。
また、正規社員雇用労働者が7年連続で増加(図中①)、非正規雇用労働者が2年連続で減少(図中②)(※5)しており(2021年現在)、今後の人口減少社会の中で各企業が労働人口の確保に積極的に動いているようです。さらに最近では夫婦で居住用のマンションを購入して、もう一つ老後の年金に備えてワンルームマンションなど投資用のマンションを購入する世帯も増えているというような話も聞きます。
仕事という面だけで見れば、共働きによってダブルインカムとなります。さらに、投資用のワンルームマンションを購入し、そのマンションに賃借人が付いた場合は、家賃収入が入ってきますのでトリプルインカムという考え方が成立します。資産運用という観点から見れば、単身者の方でも投資用のワンルームマンションを購入する事により、ダブルインカムになる可能性があります。
正規雇用労働者と非正規雇用労働者の推移
(※5)1999年までは総務省「労働力調査(特別調査)」(2月調査)長期時系列表9、2004年以降は総務省「労働力調査(詳細集計)」(年平均)長期時系列表10 https://www.mhlw.go.jp/content/000830221.pdf
資料出所 1999年までは総務省「労働力調査(特別調査)」(2月調査)長期時系列表9、2004年以降は総務省「労働力調査(詳細集計)」(年平均)長期時系列表10
(注1)2009年の数値は、2010年国勢調査の確定人口に基づく推計人口への切替による遡及集計した数値(割合は除く)。
(注2)2010年から2016年までの数値は、2015年国勢調査の確定人口に基づく推計人口(新基準)への切替による遡及集計した数値(割合は除く)。
(注3)2011年の数値、割合は、被災3県の補完推計値を用いて計算した値(2015年国勢調査基準)。
(注4)雇用形態の区分は、勤め先での「呼称」によるもの。
(注5)正規雇用労働者:勤め先での呼称が「正規の職員・従業員」である者。
(注6)非正規雇用労働者:勤め先での呼称が「パート」「アルバイト」「労働者派遣事業所の派遣社員」「契約社員」「嘱託」「その他」である者。
(注7)割合は、正規雇用労働者と非正規雇用労働者の合計に占める割合。
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マンション経営が「+αの収入源」に
例えばAさんが初めて不動産投資で1戸購入。3,150万円のワンルームマンションを自己資金10万円、変動金利1.64%の長期信用ローンを活用して、3,140万円借り入れ、35年で完済する運用プランを設定した場合、下記のような年間収支になるケースもあります。
長期ローンを35年で返済した場合
※掲載内容は一例であり、購入物件、金融情勢、金利、家賃の変動、空室期間割合などにより異なります。
※空室リスク等は含まれておりません。
※表記以外にも支出等がある場合があります。
※一定の条件で算出したシミュレーションなので実際とは異なります。
※収支等を保証するものではありません。
※融資を受けるには収入等一定の条件があります。
※月々の支払いには、管理費等の諸費用が別途あります。
マンション経営による家賃収入は、第二・第三の収入源
マンション経営の大きなメリットは、賃借人さえ付いていれば、家賃収入=不労所得が見込めるということです。体調を崩したり、入院したりして、万一働けなくなったとしても、賃借人が付いていれば、一定の収入を確保できます。
資産としてマンションを保有し経営していくことで、単身者の方でもダブルインカム、そして共働きの方でもトリプルインカムというものが実質的に可能になる場合があります。
大切な事は、現役で働いている時にいかに効率良く収入のポケットを増やすかという事だと筆者は考えます。
マンション経営に必要なものは?
マンション経営は自分自身の「長期のローンが組めるという<時間>」と「金融機関からローンを借りられるという<信用力>」を活かして運用する場合がほとんどです。これを実現するためには何が必要でしょうか。
真面目に働いて借りたものは約束通り必ず返すというごく当たり前の行動パターンが重要です。最近こんな事例がありました。単身者の男性が第二の所得を目指してワンルームマンションを購入しようという計画を立て、不動産会社に相談して無事契約にたどり着きました。
ところが実際のローン審査になった段階で審査に落ちてしまいました。金融機関はその本当の原因を一般的には教えてくれませんが、年齢とか年収要件もしっかり満たしている状況から推測すると、恐らく本人が以前借りていたカードローンの返済の遅延や滞納などの過去の返済延滞記録が残っていた可能性があると考えられます。
せっかく投資用マンションを購入できる能力がありながら、借りたら約束通り返すというごく当たり前の行動ができなかった事により、目の前の投資のチャンスを失うとすれば、それは傍から見てももったいないと感じます。
日頃から良い物件と出会った時にローンを組んで購入できる「条件」「信用」を自らが構築していく事がまさにダブルインカム・トリプルインカムを目指す第一歩になると考えます。
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まとめ
近年では共働きの夫婦も増えていますが、正社員の増加により年収500万円以上の方も増えつつあります。(2020年現在)(※6)また20代から30代にかけての年代は収入の伸びも期待できる年代です。共働きなら年収の伸びも倍になりますので、その効果も相まって今後新たにローンを組める層も厚くなってくると考えられます。
年収500万円超 600万円以下の推移
(※6)国税庁「令和2年 民間給与実態統計調査」 給与階級別分布https://www.nta.go.jp/publication/statistics/kokuzeicho/minkan2020/pdf/002.pdfを加工して作成
2022年度以降は岸田政権による総額約107兆円(※7)の大型予算が執行され、さらに追加予算や実態経済の上昇が予想されます。
またドル高円安を背景に海外ファンドによる東京不動産投資への意気込みは一段と増す可能性があります。
この活況を呈する東京不動産投資市場においてぜひ「ダブルインカム」「トリプルインカム」を目指して頂ければと考えます。
(※7)日本経済新聞2022年3月22日
著者紹介
野中 清志(のなか きよし)
株式会社オフィス野中 代表取締役 住宅コンサルタント
マンションデベロッパーを経て、2003年に株式会社オフィス野中を設立。
首都圏・関西および全国でマンション購入に関する講演多数。内容は居住用から資産運用向けセミナーなど、年間100本近く講演。
最近の主な著書・連載等
「売れる」「貸せる」マンション購入法 週刊住宅新聞社
「ワンルームマンション投資法」週刊住宅新聞社
「お金」見直し応援隊 日経BPセーフティジャパン(Web) 他多数
テレビ出演等
TOKYO MX TV他「ビジネス最前線 不動産による資産活用の今 」(2016年3月)
BS12〔TwellV(トゥウェルビ)〕「マンション投資 成功へのセオリー」(2014年12月)
「海外投資家も注目する東京の不動産」(2013年11月)
他ACT ON TV 等多数