【第8回】 令和3年発表の公示地価から見る最新地価動向

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東京都など1都3県では、新型コロナによる緊急事態宣言が3月21日に解除となりました。飲食店の営業時間短縮や外出の自粛、そして訪日外国人の規制などは、日本経済や地価にも大きな影響を与えました。
そこで、国土交通省から令和3年3月23日に発表された公示地価を元に、最新の地価動向を検証してみたいと思います。

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マンション価格を決める要素は?

不動産投資をする際には、物件選択の基準として、マンション価格が大切な条件となります。マンション価格は主に建物原価、土地原価及びデベロッパーにおける販売経費や販売利益などで構成されます。

土地の価格はその立地条件によって大きく異なり、マンション価格にも直結します。とはいえ、建物価格は物件の設備の充実度や、デザインにより変わるため、土地の価格が下がったからマンションの価格が下がるというわけではなく、入居者にとっていかに魅力的であり、人気高いマンションであるかによって価値が付きます。したがって、土地と建物を総合的に考えてマンション価格は決まります。

公示地価の算定法とは

国土交通省から令和3年公示地価が発表されました。公示地価は適正に土地の価格を決めるための指標の1つとなるもので、毎年1月1日時点の標準地の価格です。

公示地価の調査地点は全国で約26,000地点あり、不動産鑑定士が鑑定評価を行います。全般的に鑑定の仕方として、いわゆる「取引事例比較法」という手法で周辺の取引価格を参考にして評価されています。

ワンルームマンションなど第三者に賃貸されるような地域での地価は、「収益還元法」という対象の不動産から、どの程度の期待利回りが発生するのか、という基準で評価する方法もあります。このように、一口に地価といっても算定する目的や対象により査定方法は異なるという事です。

公示地価、3大都市圏では全用途で8年ぶりに下落に

安倍内閣が掲げたアベノミクスによる金融緩和政策で、景気上昇傾向が続き、令和2年発表の公示地価では、新型コロナの影響が軽微であったため、全国的に地価上昇率も拡大傾向にありました。菅内閣となった現在でも、金融緩和政策は継続されていますが、令和3年発表の公示地価では、全国平均・全用途では6年ぶりに下落となっています。

地価下落の要因としては、主にインバウンドの減少による、飲食店・ホテル業・サービス業などを中心とする業種の、大幅な需要減が大きな要因となっています。また3大都市圏の中で見てみると、住宅地・商業地とも東京圏が最も下落幅が低い事も分かります。

東京都の地価動向は?

東京都の地価は、これまで上昇傾向にありましたが、令和3年発表の公示地価では住宅地及び商業地で8年ぶりに地価変動率がマイナスとなりました。

東京都の住宅地では0.6%、商業地では1.9%の下落となりました。

東京都の地価上昇エリアの特長

東京都も地価が下落傾向にありますが、都内全域で下落しているということではなく、都内で地価が上昇している地点も多くあります。

住宅地では、「赤坂」や「南麻布」そして「港区港南(高輪ゲートウェイ駅近く)」など、都心の高級住宅地や再開発エリアに近いエリアの地価が上昇している他、東京都の住宅地の地価上昇率上位ランキング10位の中に「足立区」が4地点入っています。

つまり、再開発エリアなどの将来性の高いエリアとともに、比較的地価が安いエリアで都心への交通利便性が良好なエリアは住宅需要も多く、今後も地価上昇が見込まれる可能性を秘めています。

商業地では、JR中央線などで都心への交通アクセスもよく、生活利便性の高いエリアである杉並区の「阿佐ヶ谷」が東京都の地価上昇率のトップとなりました。

さらに、商業地でもベスト10の中に、足立区内の4地点がランクインしています。
「千住2丁目」は「北千住」駅西側のエリアとなり、大学が多くあり人が集まるので地価も上昇していると考えられます。

「足立区六町4-3-7」はつくばエクスプレス「六町」駅付近で、首都高速加平インターも近くにあることから、鉄道、高速道路ともに交通アクセスの良いエリアです。

東京都の地価下落エリアの特長は

次に東京都の地価下落エリアの特徴を見てみましょう。

東京都区部の住宅地で、最も下落率が高かったのは「世田谷区上北沢3-20-7(住居表示)」の地点で、前年比2.8%下落となりました。次に「世田谷区桜上水5-40-10」、「世田谷区大蔵5-18-12」などが続きますが、いずれも前年比2%台と比較的軽微な下落となっています。つまり、住居が立ち並ぶ住宅地では、新型コロナの影響をそれ程受けなかったと言えます。

しかし商業地は、住宅地よりも下落率が大きく、「銀座8丁目(新橋駅近く)」の地点では下落率が12.8%と都内でも最も大きくなり、台東区浅草なども下落率が12.2%という結果になりました。

依然として銀座の地価は高水準に

土地の価格は、毎年上下がありますが、地価の高いエリアの不動産はそれだけ需要に裏付けられた資産価値があると言えます。

東京都の商業地で地価が最も高かったのは、中央区銀座4丁目の地点で山野楽器本店のある場所です。

東京銀座は日本で一番地価が高いエリアですが、このエリアの地価下落の最大の要因は「インバウンドの減少である」と考えられます。筆者から見た今回の地価公示の印象は、「下落」というよりも「一時的な調整局面」と捉えています。

商業地において、最も地価が下落したエリアの上位4位までを見てみると、すべて中央区銀座エリアとなっています。

新型コロナ発生前においては、銀座の中央通り沿いに外国人を多く乗せた観光バスが多く停車し、高級ブランドショップが買い物客でにぎわいを見せていました。ですが、新型コロナの感染が拡大し、2020年4月に緊急事態宣言が発令されて以降、インバウンドが急減し、銀座の人通りは少なくなりました。

しかし、新型コロナが収束すれば私達が想像するより短い期間で、新型コロナの流行前のようにインバウンドが復活する可能性もあります。
インバウンドの復活が銀座エリアの商業地の地価を押し上げる事は明白です。

銀座エリアは、一坪(3.3㎡)の土地価格が1億7,700万円近くします。仮にこの価格が7%ほど下がったとしても、庶民から見れば依然「高嶺の花・夢の対象」です。

逆に、世界的な投資ファンドは銀座エリアの優良商業ビルなどを「今が購入のチャンス」と見る動きも多くあります。

長期トレンドから東京都の地価を考察

地価動向は、長い目でそのトレンドを読み取る事が重要となります。

約10年前、日本経済はデフレの時代が長く続き、地価も下落傾向にありましたが、第2次安倍内閣発足後の2013年から東京都区部の地価は住宅地・商業地ともに上昇に転じ、その後は地価上昇が継続していました。

2021年には、地価は下落しましたが、これは「新型コロナ」の影響であり、収束後は再び上昇トレンドに回帰する可能性も高いです。

長期的な視野に立てば、東京の地価は「上昇トレンド」となっていきます。

国土交通省国土地理院の「土地利用動向調査」によると日本の国土面積は約3780万ha、このうち森林と農地で約80%を占めています。住宅地においてはわずか3.2%となっています。

駅に近い良好な住宅地・マンション用地は、極めて希少性が高く、長期に渡って土地の資産性が保たれるのもうなずけます。

マンション投資への影響は

地価動向を見ても、今後マンション価格に与える影響度は、極めて低いと考えられます。なぜならば、土地原価が多少下がったとしても、それ以上に建物原価が上昇すれば相殺されるからです。

新型コロナのワクチン接種が進み、東京五輪は海外一般客の受け入れは断念する方針ではあるものの開催の予定となっています。今、経済や地価の発展を妨げているのは「新型コロナ」が主な要因とも言えますので、この危機が収束すれば、再び経済や地価も回復軌道に戻る可能性が高いと考えられます。

また不動産投資は長期的な投資ですので、短期的な変動だけを見ていると買い時を見失ってしまう可能性もあります。

新型コロナ収束後、外出する人達が増え、経済活動が元のように活発に動き始めれば、一機に不動産需要が高まり、地価なども上昇する可能性があります。

著者紹介

野中 清志(のなか きよし)
株式会社オフィス野中 代表取締役 住宅コンサルタント
マンションデベロッパーを経て、2003年に株式会社オフィス野中を設立。
首都圏・関西および全国でマンション購入に関する講演多数。内容は居住用から資産運用向けセミナーなど、年間100本近く講演。

最近の主な著書・連載等

  「売れる」「貸せる」マンション購入法 週刊住宅新聞社
「ワンルームマンション投資法」週刊住宅新聞社
「お金」見直し応援隊 日経BPセーフティジャパン(Web) 他多数

テレビ出演等

  TOKYO MX TV他「ビジネス最前線 不動産による資産活用の今 」(2016年3月)
  BS12〔TwellV(トゥウェルビ)〕「マンション投資 成功へのセオリー」(2014年12月)
「海外投資家も注目する東京の不動産」(2013年11月)
  他ACT ON TV 等多数

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