投資効率が高いのは、ワンルーム?ファミリータイプ?
マンション経営を始めようという場合、まず迷うのがワンルームとファミリータイプのどちらが有利かということでしょう。もちろん、不動産投資で十分な経験を積んできた方なら、どちらを選んでも上手に運用できるはずですが、初心者の方には難しいかもしれません。
そこで今回は、不動産投資のビギナーにとって「ワンルーム」と「ファミリータイプ」のどちらがおすすめなのか、投資効率やその他の観点から比較検討していきます。
投資効率で比べればだんぜんワンルーム
マンション経営の成否を語るうえで欠かせない要素が「家賃」です。たとえば、比較対象となるワンルームマンションとファミリータイプマンションがあったとして、どちらも新築で立地もよく、まったく同条件だと仮定しましょう。では、床面積でワンルームの2倍もあるファミリータイプは家賃も2倍になるでしょうか? 答えは「NO」。せいぜい1.5倍程度にとどまります。
つまり、ワンルームのほうが平米あたりの賃料が高く、だんぜん投資効率がよいということになります。
しかもファミリータイプは広い分、退居が生じた際の原状回復や将来のリフォームでワンルームよりコストが余計にかかります。家賃は広さに正比例しないのに、リフォームコストはしっかり正比例。不思議としか言いようがありませんが、それがマンション市場の現実なので仕方ありません。
その点を考えても、やはりワンルームはファミリータイプより有利と言えるでしょう。
ワンルームは入居期間に注意
ただし、長期的に見ると話は少々違ってきます。たとえば、ワンルームを希望する層は主に単身者であり独身のサラリーマンや学生が主体なので、入居期間は平均して4年程度と短め。これに対して、ファミリータイプを選ぶ層は定住志向がより強い子育て層なので、入居期間も平均6年とワンルームより2年ほど長くなる傾向があります。
したがって数年という単位でなく、10年、20年というスパンで見れば、ファミリータイプのほうが入退去の頻度が低い分、原状回復やリフォームにかかるトータルコストでワンルームより有利になる可能性はあります。いくら1入居あたりのコストが安くても、入居者の数で上回ればどこかの時点でワンルームが不利に転じることがあるでしょう。
また、ワンルームは多くの単身世帯にとって“仮宿的な利用”が主体になるので、2年程度で転居が発生するケースも決して少なくありません。そういうことがあれば、原状回復コストも余計にかかることになります。
初心者ならワンルームかつ大都市圏の物件がベスト
それでもトータルで考えれば、ワンルーム有利は動きません。とくに単身世帯の人口が多く、マンション市場も活況な大都市圏ならなおさら。入退居の頻度が多少高くても、家賃の維持がしやすく空室期間もそれほど気にならないからです。
都心部で駅近、しかも生活利便性に優れているエリアの新築ワンルームなら、高めの家賃設定でも入居者に困ることはありません。
一方のファミリータイプについては、一部の富裕層に向けたタワーマンションなど高額な物件はつねに好調ですが、ファミリータイプは一度退去されてしまうと次の入居者を見つけづらいのが難点。新築物件の人気に勝る好立地であることや、設備の充足など考えなければならないことが多くなります。
その点を踏まえれば、都市部は恒常的に人気であるため、懸念は解消されそうですが、ワンルームマンションの2倍から数倍という出費が必要です。
とかく人口減少が深刻化している昨今、東京・名古屋・大阪といった大都市圏はむしろ単身者を中心に人口の流入・定着が進むと予測されています。理由はいろいろありますが、最近、巷で語られるようになっているのは、リニア中央新幹線の開通。
この超高速鉄道により3大都市がひとつの都市圏としてより強固に連携することで、国内だけでなく、世界の人や企業がここに集まってくると考えられています。そうなれば雇用も進んで、さらにワンルームマンション市場が活気づくでしょう。
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まとめ
ワンルームはファミリータイプに比べて入居期間がやや短く、その点では不利。しかし家賃単価の高さ、1回あたりのリフォームコストの安さ、都心部での需要が安定していることなどを総合すると、やはり投資効率に勝るワンルームがより有利であることは間違いありません。
不動産投資のベテランともなれば、ファミリータイプでも上手に運用して利益を出すことができるでしょう。しかしマンション経営の初心者にとって、まずは手堅く成果を上げることが重要です。その意味では、参入の間口も広く、投資効果に優れたワンルームはまさに最適。
まずは、ワンルームマンションへの不動産投資をはじめてみませんか?
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