不動産投資業者が使う指標はすべてを覚えなくても良い?
その不動産物件が投資に値するものか知るための手段には、さまざまな「指標」があります。しかし、一つひとつ厳密に定義されている難解な指標をすべて把握するのは、その道のプロでなければ難しいもの。実際、そうした指標を使いこなさなければ、不動産投資で成果を上げることは難しいのでしょうか。
そこで、今回は、不動産投資に、FCRやDCRといった指標はどこまで役に立つのか、どの程度まで知っておくべきなのかについてお話しします。
難解な指標に振り回されないために
不動産投資に関連したサイトを検索すると頻出するのがFCRやBTCFといった略号。これらは、不動産物件の価値を知るための「指標」で、それぞれ厳密に定義されています。こうした指標が必要なのは、それだけ投資の妥当性を見極めるのが難しいということでしょう。
実際、不動産投資にはさまざまなリスク要因があり、将来の賃料や空室率、借入返済元利、諸経費、税金など多くの条件を加味してキャッシュフローを判断しなければならないからです。とはいえ、不動産投資の専門家ならともかく、サラリーマンや自営業者など本業が別にあるような一般の個人投資家がそこまで知らなくてはならないのでしょうか。
個人投資家のなかには、こうした指標を覚えることに多くの時間を費やしている人もいます。要は、大切な投資判断を他人に委ねず、自分で見極めたいということなのでしょう。
また、シミュレーション通りの結果が得られれば、それが満足につながるという投資家もいるに違いありません。もちろん、そうした取り組み方を批判するつもりはありませんが、指標や数値に振り回されて、個人投資家にとってより大切なものを見失うようでは、不動産投資で成果を上げ続けることはできないでしょう。
個人投資家が注目すべき事柄はほかにある
上でも述べたように、個人投資家と呼ばれる多くの人には別に本業があるのがふつうです。サラリーマンであったり、自営業を営んでいたり、また一般家庭の主婦だったりするかもしれません。そうした仕事や勤めと併行しながら、不動産投資を専門的に学び、実践するのはどう考えても現実的とは言えません。
そうでなくても、何万という不動産物件のなかから、目的とするものを絞り込んでいく作業だけでも骨が折れるのに、1棟ごとに細かくシミュレーションしていたら時間がどれだけあっても足りないでしょう。
もし、あなたが個人投資家を自認するのなら、自分が投下した労力、時間に対してどれだけのリターンがあるかといった程度のことはよく理解できるでしょう。だとしたら、結論はすぐに出るはずです。専門家でも取り扱いが難しい知識や数字を頭に入れ、これを使いこなすまでになろうとすることが、どれだけ非効率であるかが。
また、個人投資家として関心を寄せるべきことはほかにあります。たとえば、その物件に投資することで「利益が出せるのか」「節税効果があるのか」といったようなことです。また、「将来につながる投資か」といったことも念頭に置いて取り組むべきでしょう。
投資分析は信頼できる不動産投資会社にまかせよう
個人投資家で成功されている方には2パターンあります。ひとつは専門的知識を駆使してご自身で投資分析や判断をされている方。もう一方は、そうした分析や判断をほぼ不動産投資会社にまかせている方です。
ただ、前者の場合は、本職が投資関連の仕事であったり、大学などで経済学、経営学を修めたりしたような方で、ゼロからそうした知識を身に付けたというようなケースはないと言って差し支えありません。ほとんどの方はむしろ後者というのが実際のところでしょう。
なかには自己研鑽が人生の目的だと確信して、どんなことも学んでみようという方もいます。もちろんそうした向上心は大切ですが、こと不動産投資に関して言えば、独学は禁物です。不動産市場に関する知識はもちろんですが、数学や統計学などについても一定レベル以上の知見がないと、正しい投資分析を行うのが難しいからです。
時間がいくらでもあるという学生時代ならまだしも、仕事をしながら、家庭を支えながらこうした知識を身に付けるのはどう考えても現実的ではありません。やはり餅は餅屋──不動産投資についてはその道の専門家に多くを委ねるのが正解です。
まとめ
となると、不動産投資で成果を上げられるかそうでないかは、パートナーとなる不動産会社選びにかかっていると言って差し支えないでしょう。
複雑な投資分析や運用はそれが専門のプロにまかせ、個人投資家であるあなたは、そこからどれだけの利益を得られるか、どうすれば次の投資に結び付けることができるか、大所高所に立った見方、判断をしていくべきです。東京日商エステムは、そんな前向きな方を全力で応援いたします。