不動産投資のローンは組める?金融機関が融資する基準とは?
不動産投資には、金融機関からの融資が欠かせません。自分でも融資を受けることができるのか、いくらくらいの融資がおりるのか、疑問に思ったことはありませんか?
今回は、不動産投資のローンの疑問について説明します。
住宅ローンと不動産投資のローンとの違い
不動産で「ローン」というと、多くの人になじみがあるのは「住宅ローン」ではないでしょうか。一般的に、不動産投資向けのローンは住宅ローンよりも審査が厳しいといわれています。住宅ローンは、「本人が住むため」の不動産に対する融資ですので、本人に安定した収入が見込めれば基本的には融資を受けることができます。
一方の不動産投資の場合は、「本人が住むため」ではなく、「収益を上げること」が目的の不動産購入です。つまり、不動産経営という事業に対する融資になるので、その分基準が厳しくなるのです。
いくら融資してもらえる?
どのくらい融資をしてくれるのかは、金融機関によって異なります。不動産投資ローンを積極的に扱っている金融機関では融資を受けやすくなりますし、その逆の方針の金融機関では、条件が厳しくなると考えられます。金融機関によって異なりますが、年収の8倍程度を基準として、周辺資産を加味した場合、10倍ほどの融資を受けることができる場合もあります。
どのくらいの融資を受けることができるのかについては、主に個人の経済力や職業といった属性、物件の評価がポイントになります。
融資額の判断基準となる3つの個人の属性
融資を受けるにあたって、まずポイントとなるのが個人の属性です。融資を受ける本人に返済能力があるかどうかを、金融機関が判断します。その条件はさまざまです。
一つ目は、年収。金融機関によって条件は異なりますが、年収400万円が一つの基準と考えられます。多ければより融資を受けやすくなりますが、これに満たないからといって融資を受けられないわけではありません。自分の条件と合う金融機関を探すことが大切です。
二つ目は、勤務先です。大手であったり優良企業であったりと、会社の信用が高ければ本人の信用度も高くなります。公務員や医師などであれば、なおのこと信用も高いためハードルが下がるでしょう。
三つ目は、勤続年数です。長く勤務しているということは、本人の収入が安定しているということになりますし、長く勤めればそれに応じて年収も高くなると考えられます。そのため、本人の経済状況も高く評価されます。
その他にも、借金の有無や、キャッシングの利用状況、自己資金の有無などが総合的に判断されます。繰り返しになりますが、どれか一つが足りないからといって融資を受けられないわけではありません。
選ぶべき物件のポイント
融資を受ける際に、もう一つのポイントになるのが購入する物件です。空室になりにくい環境や設備が整っているかなどが見られます。住宅ローンと不動産投資ローンの違いは、不動産投資は不動産経営である、という点です。したがって、事業としての安定性があるかどうかがポイントになるのです。
事業としての安定性が確保できるかを判断するうえで、物件の収益性の高さ、つまりは利回りの高さも基準のひとつになります。利回りには表面利回りと実質利回りがありますが、ここで重視されるのは実質利回りです。
実質利回りとは、家賃収入から諸経費を引いたうえで算出する利回りになります。実際の経営の視点で利益が出る物件であれば、融資を受けやすくなります。
さらに、万が一ローンの返済が滞ったときには、金融機関は貸付額の回収をする必要があるので、物件の担保価値も重視されるポイントです。
仮に、上述した個人の属性に不安があったとしても、価値の高い物件であれば融資を受けやすくなると考えることもできます。不動産投資は経営の視点で、長期的な計画を立てることが重要といえるでしょう。
不動産投資にベストな金融機関を選ぶ
不動産投資の融資では、個人の属性や物件の価値が重要なポイントになりますが、先にも説明した通り、金融機関によって融資の基準は異なります。
金融機関といっても、メガバンクから地方銀行、信用金庫、ノンバンクなどさまざま。自分に最適な融資を受けることができる金融機関がどこであるのかを探すのは難しい面があるのも事実です。
不動産投資をするのであれば、不動産会社がよい相談先になります。多くの金融機関と取引のある不動産会社は、それだけ金融機関の情報も多く持っています。
投資希望者は、収益性の高い物件についての相談と、よりよい条件で融資を受けることのできる金融機関についての相談を同時にすることが可能なので、無駄な手間をかけずに済むでしょう。
まとめ
不動産投資には金融機関からの融資が不可欠。そして、自分に合った、かつ有利な条件で融資を受けることが、不動産投資の成功に大きく影響するといっても過言ではありません。
自分一人でできる情報収集には限界があるので、多くの情報が集まる不動産会社など、プロに相談しながらローンについて考えていくとよいでしょう。