“知ったかぶり”にもうサヨナラ!不動産投資のROIを理解しよう
不動産投資で用いる指標の一つ「ROI(Return On Investment)」は、投資収益率のことを指します。平たく言えば、投資した資本に対して得られる利益です。
少ない元手で大きな利益を得る「レバレッジ」が投資の基本となるので、不動産投資のROIはしっかりと理解しておきましょう。
不動産投資のROIは計算式で求められる
ROIは投資収益率なので、パーセンテージで表せます。以下の計算方法によって求めることが可能です。
ROI = 年間のキャッシュフロー ÷ 初期投資額 × 100
ROIを正確に把握するには、物件を保有することによる年間のキャッシュフローを割り出す必要があります。キャッシュフローは、以下の2つの計算方法で導き出せます。
(1):家賃収入 - (固定資産税 + 管理費・委託費 + 修繕積立金 + 空室分の家賃など) + 銀行に返済する利子) - 減価償却費 - 税金 = 税引き後利益
(2):税引き後利益 + 減価償却費 - 返済元本 = キャッシュフロー
不動産投資におけるローンの利子と減価償却費の考え方
月々のローン返済のうち、利子については経費として認められます。
しかし、返済元本は自分の資産を手に入れるために支払う費用なので、経費には含まれません。返済の利子と元本を手計算するのは大変なので、銀行のローン返済シミュレーターなどを使うと便利です。
減価償却費は建物にかかる費用です。経年変化に伴って建物の価値が劣化するので、あらかじめ決められた年数で価値の減少分を等分し、税務用の費用として計上しておきます。
前述のキャッシュフローの計算では、いったん(1)の計算式にて差し引いた減価償却費を、(2)の計算式で再び足しています。これは減価償却費が実際の現金の出し入れを伴わない、いわば架空の経費だからです。
最後に、減価償却費を税引き後利益に足すことでキャッシュフローは割り出せます。減価償却費は、キャッシュフローにプラスの効果を与えると言えます。
不動産所得にかかる税金(所得税や住民税など)をチェック
不動産所得にかかる所得税や住民税などの税金は、「不動産による収入」から「不動産経営にかかった経費」を差し引いた額に課税されます。
この経費の額が多いほど、課税額が低くなるので節税につながります。
経費には共有部の清掃費やエレベーターのメンテナンス費、空室分の家賃のほか、不動産を保有していることで課税される固定資産税や都市計画税などが含まれます。
まとめ
【この記事のポイント】
- 「ROI」は投資収益率のことであり、投資した資本に対して得られる利益を意味する
- ROIを正確に把握するには、物件を保有することによる年間のキャッシュフローを割り出す必要がある
- 不動産所得にかかる所得税や住民税などは、「不動産による収入」から「不動産経営にかかった経費」を差し引いた額に課税される
ROIによって、投資した資本に対してどれくらいの経費を抑えられ、どれくらいの利益を出せるのかを知ることが可能です。
利子や減価償却費といった経費をうまくコントロールすれば、不動産所得の利益を最大化できる可能性が高まります。ぜひROIを使いこなして、利益を最大化できるようになりましょう。