【東京23区】地価が上がっている場所と変わらない場所の違いとは
どうせ不動産投資を始めるなら、今後も有望な都心部で投資用物件を探したいところ。しかし、同じ東京23区でも地価の上昇が顕著なエリアと、そうでないエリアがあります。では、どの地域で地価が上昇しているのでしょう。また、その理由とは?
こちらでは、都内23区でも地価上昇が期待できる有望なエリアについて、その背景も含めお話しします。
23区でマンション価格は軒並み上昇。ただし、その上昇率には格差も
2012年から2017年までの5年間についてマンション価格の推移を調査した統計を見ると、23区すべてでマンション価格が軒並み上昇しています。
マンション価格は当然、そのエリアの地価を反映しているので、その上昇率はイコール地価の上昇率と見てよいでしょう。ただ、全体を俯瞰すると、同じ23区でも上昇の顕著なエリアとそれほどでもないエリアがあり、双方には大きな差があります。では、なぜこうした格差が生じているのでしょう。
ひとつ考えられるのはやはり、大規模な開発や新規事業がそこで予定されているかどうか。たとえば、マンション価格の上昇は2013年に東京オリンピックの開催が決まったことと無関係ではありませんが、これに伴ってインフラ整備や住宅整備が進んでいる都心部は地価もマンション価格の上昇も非常に顕著。また都心部から外れたエリアでも、駅前の再開発が進められているような地域では、やはりマンション価格もかなり上昇しています。
逆に、オリンピックとは直接関連しないエリア、また再開発や新規事業が予定されていない地域では地価やマンション価格の伸びも相応です。
とくに古くから歓楽街だったエリア、昔ながらの商店がひしめくような下町地区では、開発そのものが進めにくいこともあり、伸び率も高くありません。
オリンピックの影響で都心部の強さが際立つ
総合的に考えると、やはりオリンピックの影響が大きいと言えるでしょう。
都心部のマンション価格が軒並み高騰していることからもそれがよくわかります。なかでも顕著なのが、選手村が予定されている湾岸エリア。高額なタワーマンション群が次から次へと建ち、しかもすぐに買い手が付く状況です。また、JR山手線の新駅が計画されている田町駅─品川駅間のエリアでも、マンションの建設ラッシュが続いていて目が離せない状態です。
一方、こうした傾向と対照的なのが23区でも周辺にあたる地域です。とくに、千葉や埼玉などに隣接するエリアほど、地価上昇も緩やか。こうした地域は、前述のように昔ながらの商店街や住宅が広がっているため、再開発の手が入れにくいこともあり、よほどのことがなければ状況は変わりにくいと考えてよいでしょう。
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大学の都心回帰が与える影響にも注目!
オリンピックとは無関係ながら、見過ごすことのできない動きがあります。それが、大学の都心回帰。かつて不動産価格が高騰したバブル期に、その影響を避けようと多くの大学が郊外へと移転しましたが、今、それとは逆の現象が起きているのです。
たとえば、つい最近では中央大学の法学部が八王子から都心にキャンパスを移転すると表明したことで大きな話題になりました。確かに、こうした動きに対して大学の一極集中を招くとして懸念する向きもありますが、何としても学生を集めたい大学としてはもはや不便で通学のしにくい郊外にキャンパスを置いておくわけにもいかないのが現状。当然、この都心回帰はますます進むことになりそうです。
そうなると、やはり期待したくなるのがマンション需要の高まりでしょう。とくに、地方から上京してくる学生向けには単身用のワンルームマンションが人気を呼ぶはずです。また、大学職員や関係者、大学を取引先としている企業やその営業所などがこぞって都心に再集結すれば、学生だけでなく、サラリーマン、OLなど単身世帯による入居も進むでしょう。もちろん、都心部なら市場の流動性も高いので、いったん退去が発生してもすぐに次の入居者が確保できます。マンション経営の鬼門である空室リスクも学生相手の商売なら気になりません。
まとめ
こうして見てくると、オリンピックや再開発など大規模プロジェクトが目白押しなだけに、都心部の地価やマンション価格が高くなるのは当然のことと言えるでしょう。また、インフラや都市機能が再編され、より機能的に洗練されていく限りこの傾向は当面続くはずです。
また、大学の回帰でさらに都心部の不動産市場が活気づく可能性も見えてきました。やはり、マンション経営で成果を上げ続けるには、この都心部で優良な物件に投資するのがベストな選択と言えるでしょう。
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