東京開催の国際的スポーツ祭典だけじゃない! 不動産投資界を沸かせている理由
国際的スポーツ祭典の2020年東京開催を見越した投資が活気づいている今、湾岸エリアを中心とする東京都心で億ションと呼ばれる高級マンションの建設ラッシュが止まりません。世間では、これは一過性のブームであり、国際的スポーツ祭典後は不動産バブルが弾けて、かつてのような憂き目に遭うと考えている人もいるようです。
しかし、だとしたら国際的スポーツ祭典の東京開催まで2年を切った今、すでにこうした傾向が減速していてもおかしくないはずです。ところが、東京都心の地価は2018年3月現在でも依然として高い水準を維持し続けています。なぜでしょうか?
そこで今回は、この好景気がここまで堅調に推移している理由や、気になる今後の見通しについて3つの視点から探っていきます。
まだまだ先がある、日銀の量的緩和政策
アベノミクスが2013年にスタートして以来、経済政策としてもっとも奏効しているのが「量的緩和」です。要は、金利を大幅に引き下げることで消費を拡大しようという作戦ですが、そのスケールがあまりに大きいために量的緩和の前に“異次元の”という枕詞が付くほどで、日銀総裁・黒田東彦氏の名を冠して「黒田バズーカ」とも呼ばれています。
その黒田バズーカが生み出したのが空前とも言われる超低金利時代。それでもまだ目標のインフレ率2%に及ばないため、当の黒田総裁はつい先頃もこの政策の続行を表明しています。
すでに、量的緩和の波及効果で、都心部の不動産が大量に買われているわけですが、この超低金利状態が今後も続くことがわかった今、その傾向は終息には向かわず、むしろより拡大する方へ向かうことが容易に想像できます。
そうなると、海外資産家による日本への投資が一層進むだけでなく、一般のサラリーマンやOLがマンション経営などに参入し、不動産市場がさらに活気づいてきてもおかしくありません。
東京都23区で大規模な再開発プロジェクトが目白押し
「国際的スポーツ祭典の東京開催」+「量的緩和による波及効果」は、湾岸エリアのマンション建設ラッシュを見れば一目瞭然ですが、決してそれだけではありません。この追い風のなか、東京23区の至るところで進められている大規模再開発の現状も見逃せないところです。
たとえば、渋谷駅周辺では今年2018年に目玉となる超高層ビルの東棟が開業し、さらに2027年の全面開業に向けて着々とプロジェクトが進行しています。
また、山手線に計画されている品川・田町間の新駅にも注目したいところ。とくに広大な品川車両基地の大半を都市開発に充てると見られていることから、早くもこのエリアの地価は急激に上昇しています。そこが、どんなプロフィールを持った都市へと変貌するのか、今から楽しみです。
また新たな投資として、世界の注目を集めているのが国際的スポーツ祭典の東京開催との相乗効果を狙ったカジノ誘致。政府が描いたプラン通り、東京、横浜だけでなく、大阪、沖縄でカジノがスタートすれば、市場規模は1兆5,000億円に達するとさえ言われている一大プロジェクトです。
実際にカジノがスタートすれば、当然のことですが海外からの渡航者が増え、これが不動産市場にも好影響を与えることは明らかです。
日本の景気浮揚に貢献するリニアモーターカー計画の存在
ダメ押しはやはり、リニアモーターカーの存在でしょう。1972年に最初の実験機「ML-100」が浮上走行を成功させてから40年の歳月を経てようやく、中央新幹線の工事実施計画(品川・名古屋間)が認可され、プロジェクトとして本格的に始動しようとしています。
品川・新大阪間の開通予定は2045年とまだ20年以上先ですが、リニアのもたらす経済効果は今から大いに期待を集めています。
かつて第1回東京開催の国際的スポーツ祭典の翌年に東海道新幹線が東京と新大阪間で開通したときもそうだったように、これが引き金となって沿線の土地利用が進んで、不動産業を含むさまざまな産業が潤いましたが、それと同じことがさらにスケールアップしてもたらされることが予想されているからです。
とくに、品川駅周辺の資産価値は田町と品川の間にできる新駅との相乗効果で大幅に上昇することが見込まれます。
まとめ
日銀の量的緩和継続、東京23区で進行中の大規模再開発、カジノ誘致、そしてリニアモーターカー建設──こうした事実を総合すると、東京都心の不動産景気が一過性のものではなくまさに“本物”であることが見てとれます。
たとえ、東京がその年だけのイベントだとしても、その他のプロジェクトはまだ道半ば。これからが本番といったところです。その意味でも、不動産投資を検討されているなら、今、この時が絶好のチャンスと言ってよいでしょう。
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