サラリーマン不動産投資家はファミリー向けマンションに手を出せない?
不動産投資を始めるにあたって、どういった物件を投資対象とするのかは、一番初めに悩む問題です。間取りが違う、ということだけでも、ターゲットとする層が変わり、どのエリアを選ぶのか、ということも変わってきます。
今回は、ファミリー向けマンションをテーマに、そのメリットとデメリットを見ながら、サラリーマン不動産投資家が選ぶべき物件について考えていきます。
ファミリー向けマンションのメリット・デメリット
まずは、ファミリー向けマンションに投資することのメリットとデメリットについてみていきます。
ファミリー向けマンションのメリット3点
メリット1:入居期間が長くなる
ファミリー向けの場合、子どもの教育と入居期間が関係します。保育園・幼稚園から始まり、小学校に入学すれば、6年以上は入居する可能性が高いのです。長期に渡って入居が見込めるということは、不動産投資の安定にもつながります。
メリット②:駅近にこだわる必要がない
単身者向けの場合、利便性が重視されるので、駅からの距離や周辺施設の充実が重要なポイントとなりますが、ファミリー向けの場合、利便性よりも安全性や快適性、子どもの教育環境を重視しますので、立地条件がさほど問われません。駅から遠く単身者向けの投資には不向きでも、大きな公園があったり、人気の学校があったりすれば、十分投資の対象エリアとなります。
メリット3:入居者の質が高い
ファミリー向けのマンションの場合、家族がいて、ある程度の間取りが確保されているような家賃相場の高い物件に入居することになるので、相対的に入居者の質もよくなる傾向にあります。
ファミリー向けマンションのデメリット3点
デメリット1:空室リスクが高め
いったん入居すれば、長く住む傾向にありますが、一方で卒入学や長期休暇など、引っ越しのタイミングが限られるため、そこを逃すと半年や1年間空室となってしまうリスクもあります。また、ファミリー向けの場合は、分譲マンションも競合になりますので、賃貸のメリットをどう打ち出すのかという戦略も必要です。
デメリット2:初期投資にコストがかかる
ファミリー向けは単身者向けよりも広い間取りが必要ですので、その分物件の購入価格は高くなります。購入価格が高いからと言って、家賃も高く設定できるかというと、相場に見合った価格設定が必要となりますから、利回りも低くなりがちです。
デメリット3:修繕費に費用がかかる
長期間に渡って入居している場合、退去後の修繕費が高くなる場合があります。子どもがいる場合などはさらに負担が上がる可能性があります。
ファミリー向けマンションの価格は上昇傾向
ファミリー向けマンションのメリットとデメリットを見てきましたが、次に都心におけるファミリー向けマンションの価格について考えてみます。
ファミリー向けマンション価格の昨今の動向を見てみると、一様に価格が高騰傾向にあります。東京オリンピックを控えて、キャピタルゲインを求める国内の投資家だけでなく、海外投資家からも都心の物件は人気となっています。
とくに人気の港区や目黒区、渋谷区などでは、値上がりの幅も大きく、中には億を超える金額のマンションも多くなっており、一般のサラリーマン投資家が手を出すにはリスクが大きいと言えるでしょう。
ファミリー向けなら地方都市もねらい目
都心におけるファミリー向けマンションの価格が上がっている一方、大都市圏であっても大阪や名古屋ではさほど価格は上がっていません。オリンピックという大きなイベントの影響を直接的に受けるのは、不動産においては都心に限定されると考えてよいでしょう。
東京ほど地価が高くなく価格の変動が少ないという点では、投資家だけでなく、そこに住む人にとってもメリットはあります。住む人にとってメリットがあるということは、すなわち需要がある、ということに他なりません。また、ファミリー向けマンションのメリットは、先に説明したように、利便性よりも安全性や快適性といった治安や環境要因が重視される傾向にありますので、必ずしもターミナル駅が近いエリアが人気というわけではありません。
駅から離れて、地価の安定しているエリアで、ファミリー層に人気の要素を満たした物件で、投資をするというのは、サラリーマン投資家にとって手堅い方法です。
都心で買うべき投資用物件とは?
そうはいっても、やはり都心で不動産投資をしたい、という人は、単身者向けのワンルームマンションに注目するとよいでしょう。東京においては、今後も単身世帯の増加が見込まれていますし、学生や社会人、高齢世帯など、単身者向けのワンルームマンションは、ニーズが幅広くあります。
まとめ
ファミリー向けマンションで投資を考える場合、都心ではハイクラスのマンションに人気があるので、サラリーマン投資家が手を出すにはリスクが大きいと言えます。
しかし、東京以外に目を向けるなど、地域やニーズを分析すればファミリー向けマンションでも成功できる方法はあります。東京ならワンルーム、東京以外の都市部でファミリー向けマンションへの投資を考えるのは、ひとつの方法です。