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【新築マンションvs中古マンション】節税を考えた不動産投資なら

新築マンションは構造により法定耐用年数が定められていますが、中古マンションの場合どのように計算するのでしょうか?
今回は中古マンションの減価償却費の計算方法と、節税を考えて不動産投資をするなら、新築マンションと中古マンションどちらが良いのかを説明します。
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減価償却の終わった中古マンションは節税効果が薄い
新築マンションの場合、鉄筋コンクリート造(RC造)で47年、鉄骨造(S造)で34年(※骨格材の肉厚が4㎜を超えるものの場合)、木造で22年といったように構造によって耐用年数が定められており、毎年の減価償却費を経費として計上することができます。
鉄筋コンクリート造 | 47年 |
---|---|
鉄骨造(S造) | 34年(※骨格材の肉厚が4㎜を超えるものの場合) |
木造 | 22年 |
一方、中古マンションの場合は原則として、その建物の使用可能期間を見積もることによって耐用年数を決めます。しかし、その建物があと何年使えるかを正確に見積もることは難しいため、簡単に算出する「簡便法」という方法が用いられます。
簡便法による中古マンションの耐用年数の計算方法
簡便法による計算には、築年数が耐用年数を超えている場合と、そうでない場合とで2つの方法があります。
<築年数が耐用年数を超えている場合>
耐用年数=法定耐用年数×20%
築年数が耐用年数を超えている場合は、法定耐用年数の20%を耐用年数として設定するため、たとえば木造住宅であれば「22年×20%=4年」となります。
<築年数が耐用年数を超えていない場合>
耐用年数=(耐用年数-経過年数)+経過年数×20%
築年数が耐用年数未満の場合、法定耐用年数から築年数を引き、それに築年数の20%を足して算出します。たとえば、築20年のRC造の建物であれば「(47年-20年)20年×20%=31年」となります。
このように中古マンションでは築年数が古く、耐用年数を超えている物件の場合、減価償却による節税効果をあまり受けられないことが分かります。
減価償却とは、価値を見積もるためのもの
一方、減価償却とは建物が毎年劣化していくことから、その価値を見積もるためのものです。
この減価償却を「ただの経費」としてだけ見ていると、後に想定外の自体に繋がることがあります。
それは、不動産を売却する時です。
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減価償却費の金額が大きいほど、売却時の税金が高くなる
たとえば、新築時の土地価格1,000万円、建物の価格2,000万円のRC造の物件であれば、減価償却費の計算における耐用年数は47年になるので、毎年44万円程度の減価償却費を経費として計上できます。
44万円の経費を計上した時点で帳簿上、この物件の価値は「2,000万円-44万円=1,956万円」となります。築10年経てば「2,000万円-440万円=1,560万円」です。
この物件を築10年の時点で売った場合、「1,000万円+1,560万円=2,560万円」が簿価となりますが、売価が新築時の9割=2,700万円で売れた場合、差額の140万円に対して税金が課されることになります。
売却益に対する税金は所持した翌年の1月1日から計算して5年以下の場合で約39%、5年超の場合で約20%と高く、上記の場合、28万円もの税金を納めないといけなくなってしまいます。
このように、減価償却費は毎年の経費として計上できるものの、売却時に納める税金が高くなる可能性があることにも留意しておく必要があります。
まとめ
【この記事のポイント】
- 新築マンションの場合、構造によって耐用年数が定められており、毎年の減価償却費を経費として計上することが可能
- 減価償却とは建物が毎年劣化していくことから、その価値を見積もるためのもの
- 減価償却費の金額が大きいほど、売却時の税金が高くなる可能性がある
- 節税を考えるのであれば、中古マンションよりも新築マンションのほうがお得
新築マンションのほうが、減価償却費が多く出せる分、売却時の譲渡税が高くなるという印象を受けるかもしれません。
しかし、実際は中古マンションのほうが短期間で減価償却をしていくので、中古マンションのほうが譲渡税は多くかかってしまいます。
この点からも節税を考えるのであれば、中古マンションよりも新築マンションのほうがお得と言えます。
こうした、耐用年数と減価償却費、譲渡所得税との関係を考慮して、うまく購入や売却をしていくことが大切です。
※その他、仲介手数料なども経費として計上できますが、上記では省略しております。